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重い屋根をリフォームして地震に強く!素材別の特徴と費用について

屋根をリフォームして地震対策

日本は地震が多く30年以内に巨大地震が起こる可能性が非常に高いと言われているため、もしもの時に備えて耐震リフォームをしたいと考えている方も多いと思います。家屋の耐震といえば柱や壁を補強するイメージが強いかもしれませんが、屋根も重要な要素であることをご存知ですか?

地震に強い屋根の種類と、その工事費用についてご紹介します。

屋根が重いと倒壊しやすい?

屋根が重いと倒壊の可能性が高くなる

一般的に、建物の耐震性は「地盤、基礎、柱、土台、壁」の揺れに対する総合的な強さで決まるとされています。

しかし建物全体の重さに対して屋根の比重が大きいと重心が高くなり、地震の際に建物が左右に大きく揺さぶられてしまいます。屋根の比重が小さいと横揺れの幅は小さくなり、倒壊しにくくなります。

屋根に使われる素材の中でも、粘土を高温で焼成して作る「日本瓦」が最も重量があります。日本瓦は耐久性が高く重厚感があるというメリットがありますが、耐震性が低いのが弱点です。

ここでは、耐震性が高い屋根素材である「スレート」「ガルバリウム鋼材」をご紹介します。

スレートの屋根

スレートの屋根(イメージ)

スレートとは、セメントを主な原料として薄い板状に加工された屋根材です。日本瓦の半分以下の重さで建物への負荷が小さいため、地震に強い素材とされています。

スレートのメリット

  • 値段が安い…日本瓦に対してスレートは安価で、軽いため施工費も安くて済みます。
  • デザイン性が高い…カラーバリエーションが豊富で、施工しやすいため複雑な形の屋根にも対応できます。

スレートのデメリット

  • 耐久性が低い…日本瓦の耐久性が50~100年なのに対し、スレートは10~15年でメンテナンスが必要となります。何もしないと耐久性がかなり下がり、雨漏り等の原因となります。
  • 強度が低い…非常に薄いので割れやすく、強風や物がぶつかった場合でも修理が必要になることがあります。
  • 寒さに弱い…凍結すると劣化してしまうため、寒冷地では使用することができません。
  • 形状のバリエーションが少ない…薄いためスッキリしたデザインの屋根になり、重厚感を出すことができない弱点があります。

葺き替え費用

日本瓦からスレートに屋根を葺き替える場合の費用は12,200円~21,300円/㎡で、一般的な大きさの住宅では40~210万円ほどです。

ガルバリウム鋼板の屋根

ガルバリウム鋼板の屋根(イメージ)

ガルバリウム鋼板とは、1972年にアメリカで開発されたアルミニウム・亜鉛等の合金めっき鋼板です。様々なメリットにより建材としても使用され、屋根素材としても人気が出てきています。

ガルバリウム鋼板のメリット

  • 耐震性が高い…スレートの3分の1程度の重さしかなく、建物に対する負担が圧倒的に軽くなります。
  • 値段が安い…スレートほどではありませんが、日本瓦と比較すると安価です。
  • デザイン性が高い…カラーバリエーションが豊富で、形状も多彩であり、和風と洋風どちらのデザインにも対応できます。
  • 耐久性が高い…金属素材であるにも関わらずさびにくいので塩害に強く、商品によってはメーカー保証が10年以上ついているものもあります。
  • メンテナンスが不要…よほどの傷みがない限りは、基本的にメンテナンスをする必要はありません。

ガルバリウム鋼板のデメリット

  • 強度が低い…スレートと同様とても薄いので、少しの衝撃で凹みが生じる場合があります。
  • 防音性・断熱性が低い…金属であるため音や熱が伝わりやすく、雨音をうるさく感じる、室温が外気の影響を受けやすい等の弱点があります。これらを改善するためには別途特殊加工が必要となり、その分の工事費が必要となります。
  • 施工可能な業者が少ない…比較的新しい素材であるため、ガルバリウム鋼材の施工経験が豊富で高い技術を持つ職人があまりいません。

葺き替え費用

日本瓦からガルバリウム鋼材に屋根を葺き替える場合の費用は15,200円~24,300円/㎡で、一般的な大きさの住宅では50~240万円ほどです。

まとめ

どんな屋根素材にも一長一短があり、耐震の面だけを重視して選ぶことは難しいかもしれません。地震に備えるのは非常にいいことですが、屋根も含めて建物全体の耐震性を高めることが重要です。

お客様のお住いの地域やご家庭の事情、もちろん耐震性も含めて、トータルな相談に乗ってくれるリフォーム工事業者を探しましょう。

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