ストレスフリーな二世帯住宅の間取りは?完全分離で円満同居を実現!
「同居」と聞くと、どんなことを思い浮かべますか?
ちょっとしたことに感じる不満、お互い気を遣って窮屈な生活、嫁姑のバトル…。そんなネガティブなイメージは一昔前のもの、今はお互いの価値観や生活を尊重する「二世帯住宅」が同居のトレンド!生活エリアを世帯ごとに分ける「完全分離型」での同居が人気を集めています。
「高齢になった両親だけで生活するのは心配、でも同居すると生活時間も違うしトラブルになりそう。」
そんなお悩みを解決する完全分離型二世帯住宅の間取りのポイントや実例をご紹介します。
同居の新しいカタチ
二世帯住宅とは?
親・子・孫の三世代が、世帯を別にして生活する建物を「二世帯住宅」と言います。高齢化が進み、共働き夫婦が増加して待機児童などの問題も抱えている近年では、お互いに生活をサポートし合うことができる二世帯住宅が人気を集めています。
二世帯住宅には、家の中のエリアや設備を世帯間で共有する程度により「完全同居型」「部分共用型」「完全分離型」の3つのタイプに分かれます。
二世帯住宅なら完全分離型がおすすめ!
二世帯住宅の中でも、生活の場を全く別にする「完全分離型」は、同居の最も先進的なスタイルと言えます。お互いのプライバシーを守ることができ、親世帯と子世帯で生活スタイルが異なっても影響がありません。
特に親世帯と息子夫婦との同居の場合はおすすめ!家で過ごす時間が多い主婦2人(嫁・姑)は家事の場を分けた方がトラブルになりにくいのです。
ただし完全分離型は完全同居型・部分共用型より建設費用がかかる傾向にあり、通常の住宅の1.5~1.8倍くらいの費用を見ておく必要があります。
完全分離型の間取りで注意するポイント
キーワードは「お互いを気遣う心」
完全分離型の二世帯住宅を建てる際、生活がスタートしてからトラブルが起きにくいようにプランニングの段階で注意する点がいくつかあります。自分たちの都合ばかりを主張せず、両方の世帯の居心地良さを重視しましょう。
1,不公平感はないか
人数が多い世帯の生活スペースが広くなるのは仕方ありませんが、世帯間で生活エリアの差が開きすぎないようにしましょう。スペースが狭い世帯が窮屈さを感じないようにしたり、同程度の収納力を持たせたり、という工夫が必要です。
また、資金を多く出す世帯の設備が格段にハイグレードということも避けましょう。行き来をする中で不公平感が生まれ、関係性が悪くなりかねません。
2,視線に注意
同じ建物を2つのエリアに分ける二世帯住宅の場合、視線に配慮しましょう。例えばお嫁さんが「お舅さんに洗濯物を見られるのはちょっと…。」という場合は、親世帯の生活エリアからは見えないところに洗濯物を干すスペースを作る必要があります。
将来のことも視野に入れて
両親が今は元気でも、将来介護が必要になる場合もあります。その時に備えて、水回りや通路を広めにとっておくと安心です。またバリアフリーに対応した設備にしたり、玄関にスロープを設けたりしておけば、介護時だけでなく小さな子供や傷病者にも優しい家になります。
完全分離型のタイプ別注意点
完全分離型の3パターン
完全分離型には、親世帯と子世帯のエリアをどう分けるかで「上下分離型」「左右分離型」「2棟分離型」の3パターンに分かれます。
間取りやプランを考える上で注意する点を、上記3つのパターン別にご紹介します。
上下分離型
1,騒音対策
木造住宅は特に音が響きやすいので、注意しましょう。
2階の床は遮音性の高い材質にします。寝室の上下は日常的に使用しないエリア(応接スペースや収納)にする、生活音が出やすい水回り(お風呂、トイレ、洗面所)は上下で同じ位置にすると、生活時間が異なっても音があまり気になりません。
吹き抜けは音が響きやすいので、作らない方がいいでしょう。
2,プライバシーの確保
お互いの世帯の動線が重ならないよう、階段は玄関を入ってすぐの位置にしましょう。階段を上がった先にも扉を付けると、プライバシーの確保と同時に騒音対策にもなります。
3,居住性を保つ
総二階の場合は1階の採光や通風が悪くなりがちです。開口部を広く取る、通風経路を意識して間取りを考えるなど対策をしましょう。
左右分離型
1,バリアフリーへの対応
親世帯が高齢になった際、2階に上がる階段が負担になる可能性があります。エレベーターの設置や、親世帯のみ平屋にするなどを検討しましょう。
2,賃貸への転用
世帯ごとに水道・電気・ガスのメーターを別にしておけば、将来単世帯になった場合、空いた方のスペースを賃貸として利用することができます。一つの選択肢として考えておくといいでしょう。
2棟分離型
1,費用がかかる
独立した住宅を2軒建てるため、広い土地が必要です。また建設費も2棟分なので、費用がかかります。
2,ほどよくつながれるように
プライバシーが守られ、騒音問題も気にしなくていい反面、ほとんど交流のない「ただのお隣さん」になってしまう可能性もあります。お互いの世帯を行き来できる通路や庭を作り、コミュニケーションを取りやすい環境を作りましょう。
完全分離型の実例
上下分離型
延床面積09㎡、親世帯2LDK、子世帯3LDK+S(LINK)
親世帯が1階、子世帯が2階と3階のエリアで生活するプラン。お風呂と洗面所は上下で位置を合わせ、1階寝室の上をバルコニーにするなど騒音に配した間取りになっている。
延床面積01㎡、親世帯3DK+蔵、子世帯2LDK+蔵(LINK)
1階が親世帯、2階が子世帯の生活エリア。どちらの世帯にも大容量収納スペース「蔵」があり、遮音性と居住性の向上を実現している。
左右分離型
延床面積68㎡、親世帯2LDK、子世帯3LDK(LINK)
玄関のみ共有で、生活エリアが左右に分かれているプラン。将来賃貸としても利用できるような造りになっている。
延床面積60㎡、親世帯2LDK、子世帯2LDK+WIC+S(LINK)
玄関を別に設け、平屋の親世帯と2階建ての子世帯に分かれている一部二階建てのパターン。水回りが上下でまとめられている。
延床面積83㎡、親世帯3LDK+WIC、子世帯2LDK+S(LINK)
玄関は別だが、2世帯をつなぐドアを設けて内部で行き来できる。またセンターコート(庭)が、両世帯共有の憩いの場となっている。
2棟分離型
延床面積85㎡、親世帯1LDK、子世帯2LDK+WIC+S(LINK)
店舗を併設したタイプ。2棟の間にはシェア空間を設けて、交流を密にする工夫がされている。将来に備え、親世帯にはエレベーターを設置。
延床面積59㎡、親世帯2LDK、子世帯3LDK+S(LINK)
2棟の間に中庭を設けたことで、両世帯の通風・採光を損なうことなく居住性が向上。屋根付きの通路でつながっているため、行き来も楽にできる。
まとめ
完全分離型の二世帯住宅は世帯の独立性が強く、いざという時は助け合えるため、理想的な同居のカタチであると言えます。
しかしエリアの分け方や間取りのパターンは無数にあり、気を配らなくてはいけない注意点も多いので、迷ってしまいますよね。しかも二世帯の大人数ですから、なかなか意見がまとまらないものです。
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