建築探訪
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室生山上公園芸術の森を見てきて

hayatoteramae
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前々から気になっていた室生山上公園芸術の森に行ってきたので記事として残しておきます。こういうのって行ってきて終わりにしちゃうことが多いんですが、文章としてまとめようとすると周辺情報も自分なりに調べて整理することになるのでかなり勉強になります。

トップの写真は公園内第2の島と第3の島を湖面に写しながら。一瞬自分でも加工したっけ?って思うような紅葉の写真から、今回は室生山上公園芸術の森について。

はじめに

室生山上公園芸術の森について

アートアルカディア計画のシンボル事業として整備されたもので、道の駅とは対になる施設です。(道の駅が『地』をイメージして創られているのに対し、当公園は『天』をイメージして創られています。)

彫刻家井上武吉氏(1930-1997)の構想を、彫刻家ダニ・カラヴァン(1930-2021)の手によって空間全体が彫刻作品となっています。

引用元
宇陀市/室生山上公園芸術の森
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公園全体が地すべり対策にもなっていて、地形と合わせて公園全体が作品になっている、という場所です。

ダニ・カラヴァンについて

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霧島アートの森の作品は体感しておきたいんですよねぇ。(卒業制作の時に話が出たのはこれ)

彫刻家井上武吉について

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井上 武吉 | Public ART
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アートアルカディア計画は知らなかったので、次訪れるときは道の駅と合わせて巡りたいと思います。

室生山上公園まで車で行くルートと駐車場について

今回は車で山上まで行きましたが、気になる人のために車でのルートと駐車場についてちょっと補足。

今回僕は北側からこのルートを通りました。これでも割と狭くて対向不可な場所も多い道(離合できる場所はある)ですが、南からくるルートだともっと狭いようです。北側はアルファードクラスのミニバンでも問題なく上がれます。

割と下から歩いて登る人も多かったので、細い道での離合など運転に自信がなければ徒歩を選択する方が安心ですね。

駐車場は無料。北側だけで53台停められる(ということになっている)ので、よほど混んでない限り問題ないかと。

公園内

公園は平日は北側ゲートからのみ入ることができ、南ゲートは閉鎖。火曜日が定休日。また1,2月の冬季期間も閉鎖。訪れたのは11月下旬。

施設棟内。トップライトから光が入る白い空間。平日ながら割と人もいたので当初の計画通りカフェやショップがあってもいいのにと感じた。

施設棟。公園内から。屋根は地面と一続きになっている。

北側施設棟から入るが作品は名前(第1の島、第2の島など)を見る限り、南ゲートからのルートを想定しているようだ。これは室生寺から訪れるのを想定しているのだろう。

ということで全体を見ながらとりあえず南ゲートまで登ってみた。意外と高低差があり息が上がってくる。

南側駐車場からビジターセンターを見る。周辺から掘り出されたような形状。

扉は開放されていて(?)ビジターセンター内も見学できた。ホールがあるだけで特に何があるわけではないものの、トップライトがあり、掘り込んだ中庭部分があって土中にいるような空間体験ができる。

そこから少し下ると左側に遊歩道。

フカフカするのは木質チップを敷いていて、その上に苔がむしているから。なんだかもっと歩いてたくなるような不思議な感じ。

木の陰から第2の島が見えてくる。

第1の島は野鳥観察の島…ということなのだが、かなり生い茂ってごちゃごちゃしてたので写真は載せない。朝の時間とかなら野鳥観察できるんだろうか。

ぐるっと回って第2の島。(奥に見えるのが第1の島)

内部に入ってみる。空間として区切られているわけではないのに音が一部遮断されることで別の空間のように感じる。

ピラミッドの形でフォトジェニックなのは確かなんだけど、訪れた際はぜひ手前で写真撮るだけじゃなく内部に入ってみてほしい。割と手前で写真だけ撮って帰っちゃう人を見かけたので。

太陽の道・天文の塔・第2の湖を西側から。

大和盆地を中心として古墳や社寺仏閣が直線上に並ぶ北緯34度32分のラインを太陽の道というらしい。この先に室生寺があり、ずっと先には伊勢斎宮跡、振り返れば長谷寺、ずっと先にヤマトタケルノミコトを祀る大鳥大社がある、ということだ。

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ちなみに天文の『塔』なので上に登れるが、かなり急な段差を登ることになるので注意。

天文の塔内部。

光に意識がいきがちだが、太陽に暖められて熱を持って木の香りも感じられる空間だった。 

らせんの竹林。ぐるぐる周りながら目線が少しずつ低くなり地下へと潜っていく。

地下へ潜った先のトンネル。暗く閉じられた空間の先から光が入ってくる。光と闇。

ここで紹介していない作品も多数あって、思ったより広くてゆっくり周ると1時間はたっぷりかかる広さ。空間体験以外にもコールテン鋼による半永久的な素材の質感、カラーコンクリートの色味、地形と調和した全体の計画などなど。

終盤になるとこんな山上なのに人がかなり多くゆっくりはできなかったので、今度は人が少ない時間帯に訪れたいなぁと思う。

最後に

11月下旬だと日が早くて影が多かったので春の方がいいかもしれないですね。日時計も完全に影に入って意味を成してなかったり。

それとフォトジェニックなのもあり、この日はフォトウェディングされている方も。(撮影の邪魔になってしまってすいません汗)

割とカップルだったり、外国の方でグループで来られている方も多かったですね。ぼっちでうろうろしている人はカメラ持ってる僕みたいな人ぐらいです。

あと気になったのは手入れですよね。ちょうど遊歩道の落ち葉を掃除されていたんですが、こんな山の中なのでとんでもない落ち葉の量です。にも関わらずどこも手入れが行き届いていて、汚れているような場所だったり、雑草が茂ってるような場所がなかったんですよね。

手入れされなくなってボロボロになった建築も何度か見ているので、こういうのって管理する人(組織)次第だよなぁとも思ったりします。

ダニ・カラヴァンの作品は日本だと他に鹿児島、北海道の2つが有名なので、いつか見て回りたいですね。

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1987年和歌山県生まれ。web業界にいたが建築の面白さを知り、一転して建築家になろうと勉強中。Peter Zumthorの作品が好き。現在1級建築士資格取得に向けて日々勉強中。(R05学科◯製図✕・R06製図合格!)
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