備えあれば憂いなし!耐震工事の費用について ~木造編~
日本は地震の多い国であり、過去には日本各地で規模の大きな地震が起こっています。また30年以内に巨大地震が起こる可能性が非常に高いとされており、不安に思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
地震に対する備えとして、住宅の耐震補強があります。日本の住宅の半分以上を占める木造住宅に関して、耐震補強工事の種類と費用をご紹介します。
木造住宅は地震に弱い?
「木造住宅は地震で倒壊しやすい」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし決して地震に弱い訳ではありません。
木造住宅は鉄筋コンクリート造の住宅より軽く、地震の際の揺れが小さい利点があります。また木材はしなやかな特性があるため、地震の揺れの力を逃がし、かつ元の形に復元されます。
このように一概に木造住宅は地震に弱いとは言えず、構造次第で地震にとても強い建物になります。
木造住宅は、柱の間に斜めに入れる筋交いや、バランスよく配置した耐力壁によって耐震性を高めています。では地震が起きても倒壊する心配のない、十分な耐震性を持った建物かどうかは、どのように判断するのでしょうか。
その目安となる建築基準法は過去に何度も見直され、その都度耐震基準も改正されています。現在の木造住宅の耐震基準は2000年に見直されたものですので、それ以前に建てられた木造住宅は十分な耐震性があるか確認することをおすすめします。
木造住宅の耐震診断
自宅がどのくらいの耐震性を持っているか、まずは耐震診断で確認しましょう。耐震診断とは、建物の現地調査を行って「設計図通りに建てられているか」「劣化している箇所はないか」などを確認し、結果を元に構造計算を行って耐震性能を判定するものです。一般的な大きさの木造住宅では、費用は10~20万円ほどとされています。
耐震診断の判定結果は「倒壊しない」「一応倒壊しない」「倒壊する可能性がある」「倒壊する可能性が高い」の4段階に分かれます。倒壊する可能性がある、もしくは高いと判定された場合は、調査担当者に詳細な内容を聞いて耐震補強の工事計画を立てましょう。
耐震補強の種類と費用
木造住宅の耐震補強工事の費用の目安は、150~200万円とされています。(建物の構造や大きさ、耐震診断の判定結果、図面の有無により費用は異なります。)
耐震診断を受けた場合は、住宅の弱点や劣化箇所を優先的に補強・補修する必要がありますが、一般的に実施されることの多い耐震補強工事をご紹介します。
基礎の耐震補強
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- 無筋の基礎に鉄筋を入れる…2~3万円/m
- 柱を基礎にアンカーボルトで緊結…費用3万円/m(基礎長さ)
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接合部の耐震補強
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- 柱と土台をアンカーボルトやホールダウン金物で緊結…3千円/箇所
- 柱と梁を羽子板ボルトで引き止め…3千円/箇所
- 柱と梁と筋交い、もしくは柱と土台と筋交いを金物で緊結…3千円/箇所
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壁の耐震補強
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- 外壁や内壁に筋交いや構造用合板を追加…10~15万円/幅90㎝
- 開口部に壁を新設して筋交いや構造用合板で補強…12万円/箇所(壁長910m)
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屋根の耐震補強
屋根の耐震補強についての詳細はこちら:
重い屋根をリフォームして地震に強く!素材別の特徴と費用について
まとめ
内装のリフォームとは違い、耐震補強は見た目にあからさまな違いが出るものではありません。しかしいざという時にあなたや家族の命を守る大切な備えといえます。
「建物の構造には詳しくないけど、自宅を地震に強い家にしたい!」という場合は、耐震補強工事の実績が豊富な業者にまずは相談しましょう。安心して生活できる住まいづくりのお手伝いをしてくれるはずです。