三世代同居、メリットとデメリットどちらが大きい?
平成27年3月20日に閣議決定された 『少子化社会対策大網』 によると、「きめ細やかな少子化対策の推進」として、三世代同居・近居の推進 が発表されました。
三世代同居とは、「どちらかの親夫婦+子供夫婦+孫」が世帯を共にすることですので、いままでよく耳にしてきた二世帯同居と同じ意味だといえます。
政府の考えとしては、「保育園の待機児童の緩和」と「介護の自助・共助の推進」が目的で、そのための手段として「三世代同居・近居の推進」を少子化計画に盛り込んだ形になります。親と同居すれば、両親に子供を見てもらえるから保育園にいかずにすみ、待機児童数の減少と保育士不足が解消され、家族内で介護できる体制があれば、介護が必要になったときに社会保障にかかる費用を抑えられると。
いかがでしょうか?またしても、政府の感覚と一般庶民の感覚に、ズレを感じてしまいませんか?
まぁ、政府の思惑うんぬんは抜きにしても、三世代同居そのものについては、一考の余地はあると思いますので、三世代同居におけるメリット・デメリットについて、考えてみたいと思います。
三世代同居のメリット
まず一番に思いつくのが、自分の子供(孫)と自分の親(祖父母)の交流が深められることではないでしょうか。
私自身が小さかった頃も、おじいちゃんやおばあちゃんに甘えたり、色んな話をしたり聞いたりして、親よりも近い存在に感じていましたので、あの感覚は子供の成長において貴重な経験ではないかと思います。
また、基本的に家にいてくれる祖父母の存在はやはり大きいですね。共働きの母親にとってフルタイムでの仕事も可能になりますし、子供の具合が突然悪くなっても、仕事を早退したり休んだりせずにすみます。何かあったときに家に誰かいるというのは、とっても安心できることだと思います。
他にも、家事を分担できたり、子育てや介護支援の同居による優遇処置の対象となったりと。
なんだか、いいことずくめですね。
三世代同居のデメリット
しかし、当然ながらデメリットも存在します。いや、デメリットが抱える問題が重く深刻だからこそ、同居に踏み切れない家族は多いのではないでしょうか。
一番に思いつくのは、舅小姑問題。もちろん良好な関係を築いている方も多くいらっしゃるはずですが、「たまに顔を合わせるだけでも大変なのに、同居なんかできるわけないじゃない!」そんな意見もあるのではないでしょうか。
また、将来的に親を介護しなければならないという、介護問題。
きれい事を言えば、自分の親、あるいは、結婚相手の親なのだから、介護するのは当然ですよね。ただ、正直なところ大変なのは目に見えてわかっているだけに、できれば避けたいという気持ちも理解できるところです。
他にもたくさんあると思いますが、この2つだけでも躊躇するには十分すぎるのではないでしょうか。
まとめ
三世代同居は簡単ではない。
が、両親との関係性さえよければ、メリットのほうが大きいのでは?と、感じます。
そばにいてくれて「ありがとう」
子供の面倒を見てくれて「ありがとう」
そして、私を、夫を、妻を育ててくれて「ありがとう」
この気持ちがあれば、いい関係を築くことができ、きれい事ではなく、体が不自由になったときには「面倒をみてあげたい」と心から思えるのではないでしょうか。
政府の思惑にのってしまうようで癪ですが、少子高齢化の日本、将来的な介護を無視することは難しいと思います。どうせやるなら、介護しやすい環境を作る。そのための三世代同居はデメリットを丸ごと飲み込む覚悟で取り組む価値は十二分にあるといえます。
最終結論です。
三世代同居は、デメリットよりもメリットが大きい!