壁・床

床暖房はどの種類がいい?温水式、電気式を比較してみよう!

足元からの冷えを感じると、床暖房の導入を考える人も多いのではないでしょうか。

一言で床暖房といっても種類があり、メリット・デメリットが異なります。床暖房の種類を知って、自分にとって最適なものを選びましょう!

床暖房の種類は大きく分けて2つ!

床暖房を見ていると温水、電気、ガス、ハイブリッドなどさまざまな種類がありますが、大きく分けると「温水循環式」「電気ヒーター式」の2種類に分けられます。

簡単に説明すると2つの特徴は以下の通り。

温水循環式(温水式):

電気・ガス・灯油などを使って温水を作り、放熱させる床暖房。熱源機を設置する必要があり、熱源機によってコストや特徴が異なる。

電気ヒーター式(電気式):

発熱体に電気を通して発熱する方式。熱源機が必要ないので比較的設置が楽。

では、次の章から温水式と電気式について詳しく見ていきましょう。

温水式床暖房とは?

温水式床暖房は、床下にパイプを設置し熱源機で作られた温水を流すことで温める床暖房。

パイプの中を流れるのは水道水または不凍液です。不凍液というのは名前の通り、凍らない水のこと。どちらを使用するのかは地域によって決まっています。

パイプを流れる温水が少ないと故障の原因になるので年に1回、使用前に減った分の補充をする必要があります。不凍液を使用している場合は、10年を目安に交換が必要です。

床暖房は比較的故障しにくい家電ですが、電気式に比べると温水式の方が故障しやすい印象。温水ポンプの寿命は30年と言われていますが、熱源機の寿命は10年ほどなので途中で交換が必要になります。(参考

不凍液の補充、交換や、床暖房のメンテナンス、故障について詳しくはこちら。

床暖房のメンテナンスは必要?費用はどのくらいかかる? 導入に費用が掛かる床暖房ですが、メンテナンスはどうなのでしょうか。 メンテナンスの必要性や費用について見ていきましょう。 ...

温水式床暖房の費用

続いて、温水式床暖房にかかる費用を見てみましょう。

<10畳の床暖房を設置した場合>

初期費用 70~80万円(参考
ランニングコスト(1日10時間使用した場合の1か月分) ガス式:3,215円(参考
電気(ヒートポンプ)式:4,875円(参考
不凍液の交換(10年ごとに1度) 3~6万円(参考
熱源機の交換(寿命は約10年) 20万円前後(参考
温水パイプの修理 20~80万円ほど(参考

温水パイプが故障した場合、修理可能ですが床を全部はがさなくてはいけません。そのため修理費用は高額になります。

ランニングコストは比較的安いですが、それ以外は温水式の方が高いですね。

温水式床暖房の種類

温水式床暖房には様々な種類があります。温水を作って床下に流す、という仕組みは同じですが、何で温水を作るのかによって熱源機が異なります

使用するのは、

  • ガス
  • 電気
  • 灯油

など。「ガス床暖房」というのは正確には温水式のガス床暖房ということ。最近では複数の資源を使ったハイブリット型というのも出てきていますよ。

それぞれの特徴を見てみましょう。

1,ガス

ガスを使った温水式床暖房は、立ち上がりが早くすぐ温まるというメリットがあります。熱源は給湯器と一緒になったものと、床暖房専用のものがありますよ。

ガスの種類は以下の通りです。

温水暖房付き給湯器 給湯と床暖房が一緒になったものなので省スペースになる。
床暖房専用熱源機 床暖房専用の熱源機。温水式の中で最も初期費用が安い。
ガスエンジン型発電機(エコウイル) ガスエンジン発電機でできた熱や電気を給湯や床暖房に使用する方式。

2,電気

電気というと電気式とどう違うの?と思われる方も多いかもしれません。電気式は電気で床を暖めるタイプ。温水式の電気は、電気で温水を作るタイプの床暖房になります。

オール電化の家などは電気式が取り入れやすいですが、他の温水式に比べで立ち上がりが遅いというデメリットがあります。

電気式の種類は以下の通り。

床暖房専用ヒートポンプ 大気の熱をくみ上げて使用するタイプです。CO2の排出がなく安全です。
エアコン連動型ヒートポンプ ヒートポンプ型にさらにエアコンとの連動機能が付いたタイプ。
多機能型エコキュート 夜間の格安な電気でお湯をためて置き、給湯や床暖房に使用できるタイプ。床暖房の使用時間や面積に制限あり。
太陽熱利用温水器 太陽光で作った温水を再加熱して使用するタイプ。

3,灯油

床暖房専用の灯油ボイラーです。大規模な面積で使用でき、比較的ランニングコストも安いですが定期的に灯油を入れる必要があります。

4,ハイブリッド

最近では複数のエネルギーを使用するハイブリッドタイプの熱源機も出ています。

エコジョーズ(ガス)+ヒートポンプ(電気) 排熱を使用するガスと、大気熱を利用するヒートポンプの組み合わせ。
太陽熱利用+エコジョーズ(ガス) 基本的に太陽光を使用しますが、補助でガスも使用するのでお湯切れになる心配がありません。

太陽熱を上手く使えればランニングコストの削減になるのでいいですね。

たくさんの種類がありますが、特に主流なのはガスの床暖房専用、ヒートポンプ、エコキュートあたりです。家の作りなどによって設置できない場合もありますので、まずは業者さんに相談してみてください。

温水式床暖房のメリット・デメリット

温水式床暖房のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。

メリット:

  1. 日々のメンテナンスは基本的に不要
  2. 温水パイプは30年以上使用可能
  3. ランニングコストが比較的安い
  4. 立ち上がり時間が比較的早い
  5. ムラなく均一に温まる
  6. 他の暖房器具の併用は不要
  7. 40℃以上にはならないので熱くなり過ぎない

デメリット:

  1. 床下の温水パネルの他に熱源機の設置が必要なため、コストとスペースが必要
  2. 年に1回水道水または不凍液の補充。10年に1度不凍液の交換が必要
  3. 熱源機(寿命:10年)や温水パイプ(寿命:30年)が故障したら修理が必要
  4. 電気式に比べると故障しやすい
  5. 初期費用が比較的高い

温水式床暖房は電気式に比べて初期費用が掛かります。また、電気式に比べるとメンテナンスや修理の費用も掛かります。ですが、比較的ランニングコストが安いのでたくさんの部屋で使用したい場合や、長く使いたい場合にはおすすめです。

また、ムラなく部屋全体がポカポカになり、床暖房さえあれば他の煖房器具はいらないという人が多いです。

温水式床暖房の口コミ

温水式床暖房を取り入れている方の口コミを紹介しますので、参考にしてみてください。

ガス式の床暖房を、分譲マンション+注文戸建てで15年使っています。

エアコンやファンヒーターなどで困っていた、
顔の火照りや乾燥が改善され、手放せないものの一つになりました。

低温火傷の注意は必要ですが、
子どもや高齢者にも優しい、暖房器具の一つだと思います。

「器具」を感じることのない、極自然な暖かさですし、
家の中での行動も制限されることがないので、便利です。

引用元:マンションコミュニティ|床暖房迷ってます

朝と夜に使っています。特に朝はダイニングをタイマー設定で毎日自動で暖かくしてくれるので快適です。直接火を使わないので安心していられます。今回のリフォームで一番良かったことは床暖房の設置だね、と妻とも話しています。

引用元:DAIKIN|ご購入者の声

いよいよ
給湯器交換だわ
床暖房つきだから
30万弱てとこかしら…
床暖房なんて 住んで18年 最初の数回使っただけで いらなかったわ💧
見積もり 頼まねば

引用元:Twitter

温水式の床暖房を使っている方は良い口コミが多いですが、中にはいらなかった、という人も。あったかそうだから、便利そうだから、という理由ではなく本当に自分に床暖房が必要なのか考慮してから取り入れると無駄がないですよ。

電気式床暖房とは?

電気式床暖房は、床下に電気で温める温熱ヒーターのパネルを設置するというシンプルな床暖房です。

構造がシンプルなので故障しにくいですが、故障すると修理ができず交換になってしまいます

電気式床暖房の費用

電気式床暖房にかかる費用を見てみましょう。

<10畳の床暖房を設置した場合>

初期費用 60~70万円(参考
ランニングコスト(1日10時間使用した場合の1か月分) 4,875円~10,625円(参考
その他 特になし

電気式は初期費用が比較的抑えられ、気軽に床暖房を設置することができます。ですがランニングコストは温水式に比べて高くなります。

メンテナンスは不要、修理は不可なのでその他の費用は特にかかりません。

電気式床暖房の種類

電気式床暖房にもいくつか種類があります。

熱線式 発熱体の熱線部分に電気を通す
カーボン式 耐熱性の高い炭素繊維を発熱体としたヒーター方式
PTC発熱ヒーター 加熱抑制機能があり、無駄に熱くなり過ぎるのをふせぐヒーター
蓄熱式電気ヒーター 夜間の電力を利用して蓄熱鯛を温め、昼間に自然放熱させる方式。比較的コストが抑えられる。

電気式床暖房のメリットとデメリット

電気式床暖房のメリット・デメリットは以下の通り。

メリット:

  1. 床下にヒーターパネルを設置するだけなので簡単で初期費用も比較的安い
  2. リフォームで後付けしやすい
  3. 日々のメンテナンスは基本的に不要
  4. 構造がシンプルなので故障しにくい
  5. 建物と同様の耐用年数

デメリット:

  1. 電気を使用するため、最大アンペアを上げなくてはいけない可能性がある
  2. ランニングコストが比較的高い
  3. 立ち上がり時間がかかる
  4. 床温度にムラが出る
  5. 寒い時は他の暖房器具との併用が必要
  6. 温度が上がりすぎてしまうことも
  7. 万が一故障した時は修理ができず交換になる

ランニングコストが高いため、複数の部屋で使用したり、長年使用すると結果的に高くついてしまうことも。また、温水式に比べ、温かさにムラがあり、他の暖房器具も併用している人が多いです。他の暖房器具も使用すれば当然その分の光熱費も上がってしまいますね。

気軽に床暖房を取り入れたい方や、オール電化の方などが取り入れることが多いです。

電気式床暖房の口コミ

最後に、電気式床暖房を使っている方の口コミを見てみましょう。

使用時間短いため参考にならないと思いますが…
パナの電気式使ってます。
家は茨城県内。
太陽光設置、オール電化
LDK+畳コーナー26畳。基本的にL型のワンフロアー。畳コーナが真ん中。
床暖房はフローリングの8?割設置。
現在は子供が小さいので6畳の部屋畳コーナーでドアを閉めて寝ています。

使用時間は朝6時から7時までの一時間。
先月は電気代8000円弱。
昼間妻、子供3人の計4人在宅。

もっとかかるかと思いましたが、安く済みましたし、床が冷たくないのが何より良い。
朝付けただけで一日暖房付けずにいられます。

今月からは、6時から6時30分の30分+エアコン同時間帯に使用。
非常に快適です。

引用元:e戸建て|電気式床暖房だったら、どこのメーカーがよい?

温水式、電気式最後まで悩みましたが、ノーメンテの電気式に決めました。
不安だった電気代は現在は安いです。
前の住まいは冬場はガスと電気で2万越えが今は電気のみの1万で押さえられてるので、現在は後悔していません。
もっと寒くなったら分かりませんが…。

引用元:e戸建て|電気式床暖房だったら、どこのメーカーがよい? 

以前、マンション住まいで東京ガスの床暖房を使っていました。
昨年より注文住宅にて新築し、今春入居したのですが、予算をケチり、YOUほっとをリビング15畳に敷設。
以前の床暖房効果(他の暖房は全く不要、冬場でも室内は半袖で充分通せました)を期待していたのですが・・・(TT)

暖房効果は雲泥の差でした。各レスにあるように補助暖房として、足元を冷やさない程度にしか役立ちません。(あくまでも我が家の私見ですが・・・)

引用元:e戸建て|電気式床暖房だったら、どこのメーカーがよい? 

電気式床暖房の口コミは、温水式に比べると少ないのですが、よい口コミも悪い口コミもありました。使い方によっては電気代もそれほど高くないようですね。

まとめ

床暖房は大きく分けて「温水式」「電気式」の2種類があります。それぞれ細かい種類もありますが、温水式と電気式の違いは以下の通りです。

温水式 電気式
立ち上がり 早い 遅い
暖かさ 床暖房だけでOK 他の暖房器具と併用
初期費用 高い(15畳で約80~110万円) 比較的安い(15畳で約20~30万円)
ランニングコスト 比較的安い(1日10時間の使用で3,000円~5,000円程度) 高い(1日10時間の使用で5,000円~10,000円程度)
メンテナンス 水または不凍液の補充。10年に1度は不凍液の交換が必要(50,000円程度) 不要
耐用年数 30年以上 家の耐用年数と同じくらい

電気式の方が初期費用が安いですが、ランニングコストが安いのは温水式です。温水式は10年ごとに不凍液の交換や、熱源機の交換が必要になるため、トータルでどちらが安く済むのかはなかなか判断しにくいです。ただし、温まり方は現在のところ温水式の方が上なので機能を取るなら温水式がおすすめです。

床暖房と他の煖房器具の比較はこちらのページで行っています。

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