
家を建てたり、リフォームをする時、床暖房を取り入れようか迷うひともおおいのではないでしょうか。風もなく、足元からあったまるというのは魅力的ですよね!
ですが、エアコンやガスファンヒーターなどと比較してどうなのか、コストや暖まり方などが気になりますよね。そこで今回は床暖房と他の暖房器具を比較してみましたので、導入の参考にしてみてください。
目次
床暖房は設置したほうがいい?
床暖房を取り入れようと思っている方は、まず床暖房の種類について知っておきましょう。床暖房には大きく分けて
- 温水式:電気、ガス、灯油などを使って温水を作る床暖房。熱源機の設置が必要。
- 電気式:発熱体に電気を通す床暖房。熱源機は不要。
という2種類があります。
簡単にまとめると以下のような違いがあります。
温水式 | 電気式 | |
立ち上がり | 早い | 遅い |
暖かさ | 床暖房だけでOK | 他の暖房器具と併用 |
初期費用 | 高い | 比較的安い |
ランニングコスト | 比較的安い | 高い |
耐用年数 | 30年以上 | 家の耐用年数と同じくらい |
どちらを選ぶかによって温かさやコストも変わってくるんです。
しっかり温まりたい人、広範囲で使用したい人、長く使いたい人におすすめなのは温水式。初期費用を安く済ませたい人、一部屋だけ床暖房を使いたいという人には電気式がおすすめです。
床暖房の種類について詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

床暖房とエアコンのコストを比較!

まずは床暖房とエアコンのコストを比較してみましょう。初期費用、ランニングコスト、耐用年数の3つに分けて考えてみますね。
1,初期費用
導入する部屋の大きさによって大きく変わってきますが、今回は15畳の部屋に設置する初期費用で比較してみます。
床暖房(温水式) | 80~110万円(参照) |
床暖房(電気式) | 20~30万円(参照) |
エアコン | 6万円~45万円(参照) |
初期費用に幅があるとはいえ、一番安いのはエアコンですね。また、エアコンは冬だけでなく夏は冷房としても使えることを考えると安いですよね。
床暖房は設置工事が必要なため、他の暖房器具と比べてどうしても割高になります。
2,ランニングコスト
では、日々の使用量ではどのような差があるのでしょうか。
床暖房は種類によって、エアコンも機種によって費用が大きく変わるのでなかなか比較も難しいのですが、最近のエアコンは省エネなので他の暖房器具と比べても電気代が安いです。
1日10時間使用した時1カ月の費用の目安は
床暖房(温水式) | 約8,000円 |
床暖房(電気式) | 約13,000円 |
エアコン | 約6,000円 |
です。(参考)
使用した器具の他、地域、使用した時間帯、電気やガスの料金プランによっても変わってきますので、あくまで1つの目安だと考えてください。
ですがランニングコストは
床暖房(電気式)>床暖房(温水式)>エアコン
になるケースがほとんどです。一番費用を抑えられるのはエアコンだと思って間違いないでしょう。
耐用年数
最後に耐用年数を比較してみましょう。
床暖房(温水式) | 30年以上(参照) |
床暖房(電気式) | 家の寿命と同じくらい |
エアコン | 10年程度(参照) |
耐用年数は床暖房の方が圧倒的に長いですね。床暖房は買い替える手間がかかりません。エアコンは買い換える必要が出てくるのがデメリットですね。
といっても、エアコンはどんどん省エネになっていきますし、定期的に買い替えることによるメリットもあります。いくらのエアコンを購入するかにもよりますが、長年使ってもコストだけで見るとエアコンの方がお得というケースがほとんどです。
初期費用・ランニングコストともにエアコンの方が安い。
耐用年数は床暖房の方が長いが、コストだけで見ればエアコンの方がお得。
その他のメリット・デメリットは?

費用の面で見ると床暖房よりもエアコンの方がお得です。ですがそれでもファンの多い床暖房。どんなメリットがあるのか、そしてデメリットもまとめてみました。
床暖房のメリットとデメリット
メリット
- 部屋全体をあたためる
- 温風を出す訳ではないので空気がクリーン(ホコリを巻き上げない)
- 乾燥しない
- 消しても暖かさが持続する
- 直接火や燃料を使わないので安全
- メンテナンス不要
デメリット
- 部屋全体が温まるまでは1時間ほどかかる
- そのため立ち上がりは他の暖房器具と併用することでコストアップの場合も
エアコンのメリットとデメリット
メリット
- 点けて数分後には暖かい風が出る
- 燃焼を伴わないので安全
デメリット
- 暖まった空気が上にたまりやすく、部屋全体が暖まりにくい
- 部屋のホコリやチリを巻き上げてしまう
- 定期的にフィルターの手入れが必要
- 乾燥する
- 消すとすぐに寒くなる
メリット・デメリットを比べてみると立ち上がりの点ではエアコンの方がいいですが、その他は床暖房(主に温水式)の方がメリットが多いのです。
また、単純に使用料だけを見ると床暖房の方が高くつきますが、設定温度が低くても暖かい、消してもしばらく暖かいという点を考えると使い方によってはランニングコストも節約できそうです。
どちらも安全に使える暖房器具ですが、暖かさや乾燥の面も考えると床暖房のメリットは大きいですね。特に家にいることが多い人、暖房の使用時間が長い人には床暖房がおすすめです。
石油ストーブやガスファンヒーターはどう?

次に、床暖房とエアコン以外の煖房器具のメリット・デメリットも見てみましょう。
石油ストーブ(石油ファンヒーター)
メリット
- 素早く暖まる
- 部屋全体が温まる
- ランニングコストが安い
デメリット
- 定期的に灯油の補充が必要
- 灯油や火を使うので安全性が低い
- 定期的に換気が必要
ガスファンヒーター
メリット
- 素早く暖まる
- 部屋全体が温まる
- 燃料補充することがないので石油に比べて楽
デメリット
- 初期工事が必要
- 定期的に換気が必要
- 石油に比べるとランニングコストが高い
電気ストーブ(セラミックファンヒーター・カーボンヒーターなど)
メリット
- すぐに温まる
- 初期費用が安い
- 加湿器機能などがついているものもある
デメリット
- 近くにいないと暖かくない
- 広い部屋には不向き
- カーボンヒーターなどは火傷や発火の恐れがある
オイルヒーター
メリット
- 部屋全体があたたまる
- 空気を汚さない
- 安全性が高い
- 乾燥しない
デメリット
- 暖まるまでに1時間ほどかかる
- ほんのり暖かい程度なので物足りないことも
- ランニングコストが高い
電気カーペット
メリット
- 安全性が高い
- 他の煖房器具と併用すると暖かさがアップ
デメリット
- 体が接触しないと暖かくない
こたつ
メリット
- すぐに温まる
- 消してもしばらく暖かい
デメリット
- 体が接触しないと暖かくない
- こたつ布団のクリーニングなどが必要
それぞれの暖房器具にはメリットもデメリットもあります。使う人や使い方によっても、どの暖房器具がいいかは変わってきますので、どれが一番いいとは一概には言えませんね。
メリット・デメリットを知ったうえで自分に合った暖房器具を探してください。もちろん、いくつかを併用するのもおすすめです。
まとめ
床暖房とエアコン、その他の煖房器具のメリット・デメリットを見てきました。
コストだけで見ると床暖房よりエアコンの方がお得です。ですが床暖房(温水式)の方が部屋全体が暖まります。また、乾燥しない、空気がクリーンなどメリットが多く、床暖房のファンは多いです。
その他の暖房器具にもメリット・デメリットはあります。どれがいいのかは使う人や生活スタイルによっても異なります。「床暖房がいいというから」ではなく、各暖房器具のメリット・デメリットを知ったうえで自分にいいものを導入してみることをおすすめします。
床暖房についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
