外壁の苔は掃除で除去できる?苔ができる原因は?
念願のマイホームを買って数年。気が付いたら外壁が汚れている!掃除しようとしたら苔のようなものが!とショックを受ける人も多いのではないでしょうか。
特に今までマンション暮らしだった人にとっては、外壁の掃除というのは未知のものですよね。
外壁に苔が生えてしまった場合、自分で除去することはできるのでしょうか?また苔の生える原因と生やさないための予防策についても見ていきましょう。
苔の除去は自分で出来る?掃除方法は?
気が付いたら外壁にうっすら緑色の苔。まずは自分で何とかできないかな?と考えますよね。ですが、高いところなどは特に、どうやって掃除をしたらいいのか分からない人も多いでしょう。
ですが、そのままにしておくのはNG!放っておくとどんどん増殖してしまうので見た目が悪くなってしまうのはもちろん、家の寿命にも関わってきてしまうんです!
苔は水分を含み、保水する力があります。つまり、苔が生えていると建物は常に湿っている状態。壁面に水が染み込んでいってひび割れが起こったり、崩れやすくなったり、耐久性が下がってしまう原因になるです。耐久性が下がった壁ですと地震があった時などに心配ですよね。苔が生えたからといってすぐに壁がダメになるわけではありませんが、長年の蓄積で壁に影響が出てしまいます。
また、放っておけば放っておくほど掃除は大変になりますので、気が付いたときに対処するのがベストです。
自分で出来る外壁の掃除方法は大きく分けて3つあります。
- ブラシで掃除する
- 高圧洗浄機を使用する
- スプレーで除去する
それぞれの掃除方法を見ていきましょう。
ブラシで掃除する
まずはブラシで掃除する方法です。比較的汚れが少ない場合はこちらの方法がおすすめです。
用意するものは苔落とし用の洗剤と、ブラシもしくはローラー。
です。商品によって値段は変わりますが、5,000円ほどあれば用意することが出来ますよ。
手順は以下の通りです。
- 外壁に水をかける
- 洗剤をぬるま湯で薄める(商品の使用方法をご確認ください)
- 薄めた洗剤を付けてブラシもしくはローラーで掃除する
- 水で洗い流す
水をかけるだけで落ちる汚れもありますが、落ちない部分はこすりましょう。家の面積や汚れ具合によってかかる時間は変わってきますが、1日がかりになってしまう場合もあると思います。
力を入れすぎてしまうと外壁を傷めてしまうので注意してください。力を入れすぎず、やさしく洗うのがポイントです。
洗剤を使う場合は、洗剤が体にかかってしまう可能性があるので汚れてもいい服で行いましょう。ゴーグルやゴム手袋があるとなおいいですね。
高圧洗浄機を使用する
洗剤とブラシを使っても落ちない場合は、家庭用の高圧洗浄機を使用するという手もあります。
高圧洗浄機は10,000円から30,000円で購入することができます。水圧が調節できるタイプがおすすめ!
ちょっと費用は高くなりますが、繰り返し使うことができることを考えると妥当な値段かと思います。もちろん、外壁だけでなく網戸の掃除や洗車などにも使えます。
まずは水のみで洗浄してみてください。これでも大抵の汚れを落とすことができます。水だけで落ちない場合は先ほどご紹介した苔取り用の洗剤を使用してください。
高圧洗浄機を使用すれば、洗剤とブラシを使うよりも汚れが落ちやすく、作業も楽です。ですがデメリットもあります。
- 音が大きい
- 周辺に水が飛んでしまう
という理由でご近所トラブルになる場合もあるんです。隣の家と近い場合は注意が必要ですね。
また、高圧過ぎると外壁を痛めてしまうことがあるので、調整ができる場合は低めの圧力から試してみてください。業務用の高圧洗浄機では圧力が強すぎるので、家庭用のものを使用してくださいね。
外壁の高圧洗浄機の使い方についてはこちらの記事もご覧ください。
スプレーで除去する
最後はスプレーを使う方法です。
- 苔以外の汚れを掃除する
- 苔落とし用のスプレーをかける
- 最低1日は水をかけないように注意する
2階など手の届かないところは伸縮性のワイパーがついたモップにスプレーを噴射し、壁に塗るようにするといいですよ。
広範囲に及ぶ場合は噴射ノズル付きのスプレーもおすすめ。
こちらの方法ですと1,000円~5,000円ほどで苔掃除をすることができます。
すぐに効果が出るのではなく、だいたいスプレーしてから3日後に効果が表れます。なかなか落ちなそうな場合はもう一度スプレーしてみてください。
スプレーだけで落ちない場合はブラシやローラーを使って落としましょう。
苔掃除でやってはいけないことは?
苔掃除にいい!と言われることもありますが、以下の方法はやめておいた方がよいでしょう。
- カビキラーやハイター、クレンザーなどの洗剤を使う
- お酢や重曹、塩などの食品を使う
- 熱湯を使う
1つ1つ見ていきましょう。
カビキラーやハイタークレンザーなどを使う
カビキラーやハイターのように、「次亜塩素酸塩」「次亜塩素酸ナトリウム」を使っている洗剤やアルカリ性の強い洗剤は外壁を傷めてしまう可能性があります。
外壁の塗膜が壊れて雨漏りしやすくなってしまったり、一部分だけ色が変わってしまう可能性もあるのでやめましょう。
また、クレンザーには研磨剤が含まれているのでこちらも塗膜を傷つけてしまう恐れがあります。自宅にある洗剤を使用する場合は中性洗剤を使用しましょう。
お酢や重曹、塩などの食品を使う
お酢や重曹、塩などは食品ですので、外壁を傷つけることもなく地球にやさしい感じがしますよね。食品でも掃除に使えるものはありますが、市販のクリーナーほどの効果はありません。
また、食品のにおいにつられて虫が寄ってくる可能性も!夏の暑い時期には特に避けた方がいいですね。
熱湯を使う
熱湯をかけると苔は死滅するというのは事実です。植物に熱湯をかけるのは火であぶっているのと同じだとか。
ただし、溝の中など深いところまでは伝わりません。また、温度が下がると効果はなくなります。やかんのお湯を大量に壁にかければ効果はありますがあまり効率的ではないですよね。
一部分だけ苔が生えているのであれば熱湯を使ってみてもよいかもしれませんが、広範囲の場合はやめておいた方がよいでしょう。
汚れがひどい場合は業者に依頼!
自分で掃除をしてみたものの、上手くいかなかったという人も少なくありません。こまめに掃除をしていれば苔もすぐ落ちますが、長年蓄積した汚れを落とすのは大変です。
また、高圧洗浄機を使うと汚れは落ちますが、使用した部分としていない部分で壁の色に差が出てきます。綺麗にしようと思うと外壁全体を掃除する必要があるんです。家の壁全体の掃除をするというのはなかなか大変ではないでしょうか。場所によってはどうしても届かないということもあると思います。
掃除をしても繰り返し苔が生えてくる場合は、内部まで苔が入り込んでいて、個人ではきれいに落とせないという可能性もあります。
こういった場合は、ハウスクリーニング業者などに依頼しましょう。
足場の組み立てや外壁の面積などによって費用は変わってきますが、だいたい相場は3万円~20万円(参考)です。自分で除去する場合と比べると費用もかさみますが、やはり仕上がりも違います。長年の汚れが蓄積している場合などは検討してみてください。
一度きれいに掃除してもらえばそのあとのお手入れも楽になりますしね!
全国展開しているハウスクリーニング業者はこちらです。お近くに店舗がないかチェックしてみてください。
外壁に苔が生える原因は?
そもそも、なぜ外壁に苔が生えてしまうのでしょうか?
苔は風に飛ばされた苔の胞子が、外壁に付着することで発生します。そして水分や汚れ(苔の栄養分)を吸って成長していくのです。
苔はどこにでも生える可能性がありますが、苔が生えやすい壁、生えにくい壁が存在します。
- 自然が多い
- 風通しが悪い
- 湿度が高い
- 直射日光は当たらないが明るい場所がある
- デコボコが多い壁である
という状況の場合、苔が生えやすくなります。苔が生えやすい環境の場合、あらかじめ対策をしておくとよいでしょう。
苔を生やさないための予防策
苔が生えないようにするには、まずは風通しを良くしましょう。外壁の周りに物や植物などを置かないようにしてください。
そして、こまめに掃除することが大切ですね。
外壁掃除についてはこちら
掃除の頻度を減らすには、業者にクリーニングを依頼したあと、光触媒塗料や 防藻、防カビ材入りの塗料を塗ってもらうという手もあります。塗料を塗っても絶対に苔が生えないということではありませんが、お手入れの頻度は少なくて済みますよ。
外壁塗装の塗料についてはこちら
絶対に外壁に苔を生やしたくない!という場合は、思い切って苔の生えにくい壁にリフォームするという手もあります。
コンクリートやモルタルなどデコボコが多い壁は、凹みに苔の胞子や養分が溜まってしまうため、苔が発生しやすくなります。そして、掃除も大変ですよね。金属系のサイディングボードやタイルなどフラットな外壁にすると苔が生えにくくなります。
外壁を金属サイディングにするリフォームを行った場合は300万円ほどかかってしまいます。苔だけのために外壁をリフォームするというのは現実的ではないかもしれません。
ですが金属サイディングの壁は断熱性、防音性、耐震性に優れているなどのメリットもあります。耐震性に不安がある、家が寒いなどでお困りの方は検討してみるのも一つの手です。
外壁リフォームに関して詳しくはこちら。
まとめ
外壁の苔を自分で除去する方法は
- ブラシで掃除する
- 高圧洗浄機を使用する
- スプレーで除去する
というものがあります。どれもメリット、デメリットがありますので自分にぴったりな方法を見つけてみてください。
ただし、外壁の掃除は思った以上に大変です。すべて均一にきれいにすることができないかもしれません。どうしても届かないところがある場合などはハウスクリーニング業者などに依頼してみましょう。費用はだいたい3万円から5万円ほどです。クリーニングをした後、防カビ入りの塗料を塗ってもらうと苔の予防にもなりますよ。