エコキュートはメンテナンスが重要!サボってしまうと寿命が短くなる?
ガス給湯器には様々な種類がありますが、エコキュートのような貯湯型の給湯器はしっかりメンテナンスを行う必要があります。
メンテナンスを行うことで、エコキュートを安全に長く使うことができますよ。自分で行うメンテナンスのやり方を見ていきましょう。電気温水器に必要なメンテナンスについてもご説明します。
エコキュートはメンテナンスが必須!
エコキュートの寿命は10~15年といわれています。ですがこれは、メンテナンスをしっかり行った場合の寿命。定期的にメンテナンスを行っていないとエラーが起こったり、寿命が短くなってしまう可能性があります。
エコキュートの仕組み
エコキュートは、
- 貯湯タンク
- ヒートポンプ
の2つで構成されていて、以下のような仕組みでお湯を作ります。
- ヒートポンプで大気中の空気から熱を取り込み
- 圧縮して高温に
- 熱交換器で水に熱を伝える
- 水がお湯になってタンクに戻る
こちらのイラストが分かりやすいです。
貯湯タンク、ヒートポンプのどちらも重要な役割を果たしているため両方が正常に動いていないと作動しません。そのため、貯湯タンク、ヒートポンプの両方のメンテナンスが必要になります。
電気温水器の場合、ヒートポンプはありませんが貯湯タンクはあります。電気温水器の場合も貯湯タンク等のメンテナンスは必要になります。
メンテナンスを行っていないとどうなる?
メンテナンスを行わないと、貯湯タンクの中に不純物がたまっていきます。そのままにしておくと
- お風呂にゴミがたまる
- お湯が臭くなる
- 電気代や水道代が高くなる
などのデメリットが。故障の原因にもなり、寿命を縮めてしまいます。衛生的ではないですし、安心して使うことができなくなりますね。
特に不具合を感じていなくても見えないところでトラブルが起こっている可能性も。なるべく定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。
自分でできるエコキュートのメンテナンスのやり方
エコキュートのメンテナンス方法は以下の10項目がありますよ。()内は掃除頻度の目安です。
※★のついたものは電気温水器でも行うメンテナンスです。
- 貯湯タンクの水抜き・掃除(半年から1年に1回)・・・★
- 給水口ストレーナーの掃除(半年から1年に1回)・・・★
- ヒートポンプユニットの水抜き(半年から1年に1回)
- 浴槽フィルターの掃除(1週間に1回)・・・★
- 配管の掃除(半年に1回)・・・★
- 水漏れの点検(半年に1回)・・・★
- 漏電遮断器の動作確認(半年に1回)・・・★
- 逃し弁の動作確認(月に1回)・・・★
- 凍結防止の確認(年に1回)
- リモコンの拭き掃除(随時)・・・★
種類が多くてびっくりした方もいるかもしれませんが、まとめて行えるものもありますし、浴槽フィルターの掃除など風呂掃除と一緒に日ごろから行っているものもあります。
1つ1つやり方を見ていきましょう。
1.貯湯タンクの水抜き・掃除
まずは一番重要な貯湯タンクの水抜きです。貯湯タンクに不純物がたまっていると、水が汚れてしまい不衛生になるからです。
ですが中には一度も掃除をしたことがないという方もいるかもしれません。見た目に不具合はなくても中は汚れている可能性があるので、一度掃除をしてみてください。
一般的な手順は以下の通りです。
- 給水止水栓を閉じる
- 漏電遮断機を「切」にする
- 逃がし弁のレバーを上げ、空気を入れる(1分ほど待つ)
- 排水栓をあけ、排水する(1~2分が目安)
- 排水が終わったら給水止水栓を開ける
- お湯が出てきたら逃し弁を閉じる
- 漏電遮断器を「入」にする
- 蛇口からお湯が出ることを確認する
手順が多いので大変そうに感じますが、水を抜くだけなので誰でも簡単にできますよ!メーカーによっても多少違いがあるので、説明書を確認して行ってください。
気温が0℃以下の場合、水抜き中に凍結してしまう恐れがあるので0℃以上の時に行いましょう。
パナソニックのエコキュートの水抜き動画がありました。
機種によってはリモコンでの操作も必要になるんですね。
こちらは三菱の動画で、水抜きした後の再開方法を紹介しています。
2.給水口ストレーナーの掃除
給水口ストレーナー(フィルター)の掃除は、貯湯タンクの水抜きと同時に行うとやりやすいです。
逃し弁のレバーを上げて1分待った後、給水口ストレーナーを取り外し、ブラシなどで掃除します。掃除後に取り付け、水漏れがないか確認するだけでOKですよ。
場所が分からないときは説明書などで確認しましょう。
3.ヒートポンプユニットの水抜き
ヒートポンプも貯湯タンクと同様、水抜きを行う必要があります。
ヒートポンプの水抜きは貯湯タンクよりも簡単。3つの水抜き栓をすべて抜いて中の水を出すだけです。だいたい1分くらいで水が抜けます。
ヒートポンプの水抜き動画はこちら。
メーカーによってやり方が異なる場合もあるので、確認の上行ってくださいね。こちらも貯湯タンクの水抜きと一緒に行うといいですよ。
4.浴槽フィルターの掃除
続いては浴槽フィルターの掃除です。こちらは浴槽内にあるフィルターのことですね。
フィルターにゴミがたまっているとお湯の出が悪くなってしまいます。フィルターを取り外し、ブラシなどでごみを取り除いてつけ直しましょう。
お風呂掃除の一環で行っている人も多いかもしれませんね!
ちなみに、フィルターを外したまま給湯すると故障の原因になってしまいます。取り付けるのを忘れないようにしてください。
5.配管の掃除
配管は、エコキュートと浴槽をつなぐ部分です。
汚れがたまりやすい場所なので自動洗浄機能が付いています。ですが、それだけでは限界があるので時々は掃除をして清潔な状態を保ちましょう。
配管を掃除するには、市販の風呂用配管洗浄液を使いましょう。
こちらは一般的な配管洗浄液。
こちらは三菱のエコキュート用の配管洗浄液です。メーカーの商品ですと安心ですよね。
6.水漏れの点検
貯湯タンクで水漏れが起こっていないか、目視で確認します。他のメンテナンスと合わせて行うと忘れないですね。
特に、集合住宅の場合は水漏れすると他の階にも影響を与えてしまうことがあるので注意しましょう。
7.漏電遮断器の動作確認
漏電遮断器というのは、文字通り漏電した時に自動で電源を切る安全のための装置です。動作確認の手順はとても簡単ですよ。
- 電源扉を開け点検ボタン(テストボタン)を押す
- 漏電遮断器が「切」になることを確認する
- 漏電遮断器を「入」にして元に戻す
点検ボタンを押して「切」にならない場合は故障ですので、業者に連絡をしてください。
8.逃し弁の動作確認
逃し弁というのは、水からお湯になり膨張した部分の水を排水する装置です。余分な水を排水することでタンクの安全を守っています。
点検の仕方はとても簡単です。
- 沸き上げ(沸き増し)をしていないかどうか確認する
- 逃し弁レバーを上げる
- 排水することを確認する
- 逃し弁レバーを戻す
自動的に排水すればOKです。排水されない場合は業者に連絡しましょう。
9.凍結防止の確認
エコキュートは寒さに弱いため、凍結防止ヒーターが備えられています。寒くなり始めたら一度凍結防止ヒーターを入れ、作動するかどうか確認しましょう。
冬になる前に確認しておくことで、故障を防ぐことになりますよ。
10.リモコンの拭き掃除
最後は室内のリモコンについて。
毎日使う場所だと思いますので汚れが気になったら随時拭き掃除をしましょう。乾拭き、もしくはぎゅっと絞った布などで拭き掃除をしてください。
アルコールなどを使用すると故障の原因になるので避けてください。
大変な場合は業者に依頼する手も!
エコキュートのメンテンスは大変そうと感じた方は業者に依頼するという手もあります。メーカーにも有料点検がありますよ。
業者に依頼する場合、自分で行えるメンテナンスだけでなく電気配線の状態の確認など、専門的なことまで行ってくれます。数年使っていて一度もメンテナンスしていないという方は一度業者に見てもらった方が安心かもしれませんね。
メンテナンスの費用は業者によって異なりますが、相場は1~2万円程度です(参考)。
まとめ
エコキュートのメンテナンス方法を見てきました。ガス給湯器からエコキュートに交換すると、メンテナンスが大変、と感じるかもしれませんね。
ですが1つ1つは難しいことではありません。しっかりメンテナスすることで安全で衛生的に長く使えるようになりますよ。
今回ご紹介したのはあくまで一般的な手順ですので、お使いのエコキュートの説明書を確認しながら行ってください。
ちなみに、ガス給湯器のメンテナンスについてはこちら。