水回りリフォームはマンションでもできる?費用はどれくらい?
マンションに住んでいると、最も傷みやすい屋外のメンテナンスをする必要がないので、リフォームのことを失念しがちです。
しかし室内の設備は確実に劣化していくため、長く住み続けているとどこかでリフォームをしなければいけません。特に水回りは湿気が多く汚れやすいため、通常10~20年でリフォームが必要とされています。
しかしリフォーム費用がかさみがちなのも水回りの特徴です。マンションの水回りリフォームの費用相場と、マンションならではの注意点をご紹介します。
マンションの水回りリフォーム費用の相場
キッチン・お風呂・洗面所・トイレなどの水回りのリフォーム費用は、新しく設置する設備のグレードにより大きく異なります。ここでは標準的な設備に入れ替える場合の、工事費を含むリフォーム費用の相場をご紹介します。
キッチン…50~100万円
床や壁の内装工事を追加すると部屋の広さに応じて追加費用が発生します。キッチンの移動をする場合は配線・配管工事も必要なため、150万円を超えることが多いようです。
また採光や開放感アップのために、間仕切り壁に窓を付けたり壁自体を取り払う場合は200万円以上かかるとみておいた方がいいでしょう。
お風呂…50~150万
浴槽だけを交換するリフォームが最も費用を抑えることができます。浴槽全体をリフォームするとその分費用がかかりますが、商品によっては洗い場や壁、浴槽内のすべての設備がセットになっていて割安なものもあります。
どの範囲までリフォームしたいのかを明確にして設備を選びましょう。
洗面所…50万円内
洗面台の入れ替えだけのリフォームが、最も費用が安くなります。湿気がこもりやすい場所ですので内装も一緒にリフォームすることが多いですが、それでも50万円以内に収まることがほとんどです。
トイレ…50万円内
便器の入れ替えのみであれば費用が抑えられます。内装を一緒にリフォームしても、50万円以内に収まるケースが多いようです。トイレ内に設置してある手洗い場や収納も変更すると50万円を超えることがあります。
どの水回りにも共通して言えますが、規格が同じ設備を入れ替えるだけのリフォームであれば最も工事費が安く済みます。もし設備を撤去した際に周辺の床・壁に傷みがあれば別途工事が必要となり、追加費用が発生します。
リフォームしていい範囲は決まっている
集合住宅では、各自が快適な住環境を保てるようマンションごとに管理規約が定められています。リフォームについて規約内で細かく定められているところもあり、たとえ自室内であっても規約の範囲を超えてリフォームすることはできません。リフォームする際には、住んでいるマンションの規約に反していないか事前にしっかり確認する必要があります。
マンションは「区分所有法」という法律に基づき、専有部分と共用部分に分かれています。所有者が個人でリフォームできるのは専有部分のみです。
専有部分――
壁に囲まれた内側の居住空間。壁や天井のクロス(壁紙)、床材、間仕切り壁 等
共用部分――
マンションの構造部分(壁・床・天井・柱のコンクリート部分)、開口部の建具(ドアや窓)、ベランダ、専用庭、住民が共同で使用する廊下、階段、屋上、エレベーター、エントランス、電気やガスの共用設備 等
専有部分内であっても、何でも自由にリフォームしていいわけではありません。配線・配管のリフォームできる範囲は建物の構造やマンションの規約ごとに異なります。
騒音によるトラブルを防ぐために、使用可能な床材が指定されている場合があります。例えばカーペットしか使用してはいけない、フローリング材の遮音等級が指定されている、1階の居室のみ床のリフォーム可、などです。
設置できる設備について定められている場合もあります。マンションでは一戸当たりの電力やガスの供給量が決まっているため、新しく設備する設備の使用電力量やガス使用量に注意しましょう。
リフォーム工事の際に、設備を運び入れる搬入経路や作業の時間帯が決まっていることもあります。
水回りリフォームでのトラブルに注意
細々と定められているマンションの管理規約ですが、これに違反してリフォームを行うとどうなるのでしょうか。
規約の範囲を超えたリフォームを行って騒音問題や漏水などが発生すると、当然マンションの他の住民とトラブルになります。原状回復の命令が出ることもあり、また工事を行って費用を払わなければいけません。もし原状回復が出来ない場合は退去を要求されたり、損害賠償を請求される可能性もあるのです。
リフォームの具体的なプランを立てる前に、必ずお住いのマンションの管理規約をしっかり確認することが重要です。不明な点は管理組合に相談し、リフォームの実施を事前に申請するとスムーズです。マンションの管理組合によっては様々な書類を事前に提出する義務がある場合もあるので、手続きも併せて確認しておくとよいでしょう。
リフォームのOKが出ていざ着工!という段階では、周辺住民への気配りを忘れずに。影響が及ぶ範囲の住民には事前に挨拶して工事予定期間を伝えておきましょう。
まとめ
マンションのリフォーム費用相場は、全体的に戸建より安い傾向にありますが、戸建にはない管理規約に沿ってリフォームする必要があります。規約に反すると住民や管理組合とトラブルになったり、余計に費用がかかったりすることもあるので、注意が必要です。
無事に満足のいくリフォームを完了するためには、マンションのリフォーム実績が豊富で管理規約に明るく、近隣住民への配慮ができる業者を選ぶ必要があります。信頼できる工事店を見つけて、ご近所付き合いも良好に、水回りを美しく一新させましょう!