トイレの防音対策はDIYで出来る?リフォームとはどう違う?
一緒に暮らしている家族でも、トイレの音というのは聞かれたくないですよね。特に二世帯同居をしていたり、自宅とオフィスを兼ねていたり、お客さんが多かったりすると気になるところだと思います。
トイレの防音対策はDIYだとどのくらいできるのでしょうか?DIYで出来るのなら費用もそれほどかからないので助かりますよね。DIYでできること、業者に頼んでできることを見ていきましょう。
DIYで本格的な防音はできる?
防音というのは音が外に漏れるのを防ぐという意味がありますが、具体的な方法を表す言葉ではありません。防音するためには「遮音」と「吸音」が必要なんです。
- 遮音:空気中に伝わる音を遮断して、跳ね返し外に音が漏れないようにする
- 吸音:音を吸収して音の反射を防ぐ
遮音だけを行うと室内に音が響いてしまうので、思ったような防音効果は得られないことが多いです。しっかり防音するためには遮音と吸音の両方が必要になってきます。
DIYでも遮音シートと吸音材を貼るという対策はできます。ですが、作業が大変な上にシートがむき出しになってしまうのできれいに仕上げるのは難しいです。
吸音材の厚みによって効果は変わってきますが、素人ではどの程度の厚さのシートが必要なのかも判断がつきにくいため、大変だった割に思ったような効果が得られないということも。
ですから、遮音シートと吸音材で徹底的に防音したいのでしたらプロにリフォームを依頼することをおすすめします。(リフォームに関しては後半で詳しくご説明します)
トイレの防音対策にはどんなものがある?
DIYではどんなトイレの防音対策ができるのでしょうか?完全に音をシャットアウトするのは難しいですがちょっとした対策で音が気にならなくなることもありますよ。
- 使用中の音が気になる場合
- 水を流す音が響く場合
についてお話していきます。
トイレの使用中の音が気になる場合
まずはトイレの使用中の音が気になるケース。トイレから音が漏れないようにする対策方法を見てみましょう。
1,隙間テープで対策!
まずは隙間を埋める方法です。トイレに限ったことではないですが、家の扉には隙間が空いています。これは、もちろん設計ミスではありません。家の中の換気をよくするためにあえて作られているんです。
ですが、隙間が空いていればそこから音が漏れてきます。逆にいうとこの隙間を埋めるだけでも防音対策になるんです。手軽にできるのでまずは隙間テープから試してみることをおすすめします。
隙間テープは100円ショップやホームセンターなどで購入できます。もちろんネットにもありますよ。
隙間テープには「隙間風用」「結露防止用」などもありますが、「防音用」がおすすめです。
粘着テープがついた面とクッション材がついた面があり、ドアの隙間に貼ることで隙間を埋めることができます。工具なども不要ですのでDIYに慣れていない人でも簡単に貼ることができます。数百円から対策できるという点も嬉しいですね。
ドアの下部分はテープではなくこんな商品もあります。
ドアに隙間テープを貼った動画です。貼り方から防音効果の検証までされているので参考にしてみてはいかがでしょうか。
あくまでも隙間から漏れる音を防止するだけなので、小さくはなるものの完全に音が聞こえなくなる訳ではありません。ですが手軽にできる方法ですので試してみる価値はあると思います。
また、完全に隙間を塞いでしまうと多少ドアが開けにくくなるというデメリットもあります。隙間テープの厚さも色々ありますのでドアの開け閉めも考慮して選んでください。
2,防音ボードやパネルを貼る
遮音シートと吸音材を壁全面に貼るのは大変ですが、ボードやパネルなら貼りやすいのではないでしょうか。
こちらは遮音と吸音の両方の効果があるパネルです。貼る場所に合わせてオーダーできるので設置も簡単。その分お値段はかかりますがリフォームよりは抑えられます。しっかり防音したい方におすすめ。
こちらは虫ピンで設置する吸音パネル。水洗いもできるのでトイレにも嬉しいですね。何色かを組み合わせてもおしゃれ。
こちらの商品は六角形をした吸音材です。はるだけでおしゃれになりますね。壁に貼ることで防音効果が期待できます。いくつ貼るかによってもどのくらい防音できるのかは変わってきますが、効果を見ながら少しずつ増やしていってもよさそうですね。
防音ボードやパネルの対策は数千円から数万円になります。防音用ではなくてもクッション性のある壁紙シールを貼ることでも多少の防音効果が期待できます。デザインも豊富ですし、おしゃれに防音対策したい方にはよいかもしれません。
3,他の音でトイレの音を消す
公衆トイレにはトイレの音を消すために別の音を流す「音姫」などが設置されていますよね。家庭のトイレでは大げさ・・・と思われるかもしれませんが、お客様の多い家でしたら設置してみるのもおすすめです。
料金も意外と安く数百円のものから高いものでも20,000円ほどです。
こちらは人体センサーのついた音姫。コンセントと電池の両方が使えます。本格的な音けしをしたい人はこちら。
こちらは電池タイプの音消し。手をかざすだけで音が発生します。
こちらはシンプルな音消しですね。場所も取らないのでインテリアの邪魔になりません。
乾電池タイプが多いので、コンセントにつなぐ必要もなく簡単に設置できます。別途電池代はかかってきますが、トイレの音をかき消すには手っ取り早い方法かもしれませんね。
トイレの水を流す音が響く場合
もう1つは水が流れる音が気になる、というケース。特に夜中など水の音が響いてしまって目が覚めてしまうという人もいるかもしれません。
水の流れる音には
- 給水タンクに給水する音
- 給水タンクから便器に水が流れるときの音
- 便器内の水が排水管に流れる音
の3種類があります。それぞれ対策方法が異なりますので、まずどの音が気になるのかチェックしてください。
1,給水タンクに給水する音が気になる
給水タンクに給水する音が気になる場合、簡単に調整が可能です。止水栓を少し締めることで給水の音を和らげることができます。(止水栓の場所はこちらを参考にしてください)
止水栓を少し締めると給水速度がゆっくりになり、音が静かになります。その反面、タンクに水がたまるまで時間がかかってしまいます。朝など家族で使いたい時間が集中する場合は注意してください。
2,給水タンクから便器に水が流れるときの音が気になる
便器内に流れる水の音は、便器の構造によって決まっています。ですから残念ながら調整することはできません。対策としては蓋を閉めてから流すと少し音は気にならなくなるでしょう。
タンクが大きい古いトイレは勢いよく水が流れるので音がうるさいことが多いです。反対にタンクレストイレやタンクが小さめなトイレはどれも音が静かです。あまり気になるようでしたらトイレを交換するというのも1つの手ですね。
トイレの種類についてはこちらの記事もどうぞ。
3,便器内の水が排水管に流れる音が気になる
排水管に流れる水の音がうるさい場合、「詰まり」の可能性があります。水を流した時に「コポコポ」や「ゴボゴボ」という音がする場合は詰まりの可能性が高いですね。
また、水が壁を叩くような「ゴン」「ガン」という音がする場合はウォーターハンマー(参照)といって水道管の圧力によって発生する音です。最悪の場合水道管が破裂してしまうので早めに対処しましょう。
トラブルになってからでは大変です。急に水の音がうるさくなった、異様な音がするという場合は一度業者に見てもらいましょう!
業者に依頼するとどんな防音対策を行うの?
プロに防音対策のリフォームを依頼した場合はどのようなことを行ってくれるのでしょうか?
トイレの防音リフォームは
- 遮音シートと吸音材を貼る
- 防音ドアに変更する
- 水を流す音の静かな便器に交換する
などの方法があります。内容を見てみましょう。
遮音シートと吸音材を貼る
防音シートはDIYでも貼れますが、自分で貼った場合、思ったような効果が得られないということも。
防音リフォームは吸音材の厚さによって防音効果は変わってきます。プロに任せればしっかり効果を感じることができるでしょう。
また、プロに依頼した場合とDIYの一番の違いは、仕上がりのきれいさだと思います。プロが行う場合は壁紙を一度剥がし、シートなどを貼ってからもう一度壁紙を貼り直すのできれいに仕上がります。
壁からの音漏れ対策をしたいのなら、壁にグラスウール(参考)を入れるという手もあります。グラスウールは断熱材ですが、防音効果も高いです。トイレの音だけでなく、寒さも気になる場合は断熱材を入れるというのも検討してみてはいかがでしょうか。
防音工事についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
防音ドアに変更する
DIYで隙間テープを貼るという方法を紹介しましたが、リフォームなら防音ドアに交換するということもできます。
隙間からの音漏れを防ぐだけでなく、ドア自体に防音効果があるものに交換すれば安心ですよね。
防音ドアについてはこちらの記事もどうぞ。
音の静かな便器に交換する
先ほどもお話した通り、便器の構造によって流水音が気になるという場合もあります。特に古くてタンクの大きい便器の場合、音がうるさいことがあるので音の静かなトイレに交換するのもおすすめですよ。
リフォームとなると費用は掛かりますが、本格的に防音したい人は検討してみてください。実際にトイレを防音リフォームした事例は下記を参考に。
防音リフォームだけでなく、トイレの交換などと併せて行う人が多いようですね。トイレのリフォームをする際は防音も検討してみてはいかがでしょうか。
トイレのリフォームに関してはこちら。
まとめ
トイレの防音対策はDIYでも行うことができます。ただし、本格的な防音対策となると手間と費用が掛かる割には見た目がよくありません。また、大変だった割に思ったような効果が得られないということもあります。
DIYで防音対策をするのなら
- 隙間テープを貼る
- 防音ボードやパネルを貼る
- 音消しの機械を設置する
という方法が手軽なのでおすすめです。完全に音を消すという訳ではありませんが、だいぶ気にならなくなったという人も多いですよ。
しっかり防音したいという場合はDIYでは難しいのでリフォームがおすすめです。リフォームすると数万円から20万円ほどかかりますが、きれいさと防音効果はDIYとは違います。
何を重視するかにもよりますが、しっかりきれいに防音したい人はリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。もちろん、見積もりだけ出してもらうことも可能ですよ。