マンションでもお風呂を移動するリフォームはできる?注意点は?
最近、全面リフォームをする前提で中古のマンションを買う人が増えています。中古のマンションの方が駅近など立地が良いことが多いですよね。立地で選んで自分に合った間取りに変更すれば満足度は高いでしょう。
マンションでも間取りの変更を行うことは可能。ですが水回りも自由に移動することはできるのでしょうか?
今回はお風呂を移動させるリフォームについて見ていきます。
マンションでもお風呂の移動はできる?できない?
お風呂を移動する際は排水管の工事が必要となります。お風呂を移動できるかどうかは排水管の工事が可能かどうかによって決まります。排水管の工事が可能かどうかは、床下の構造によって決まるんです。マンションの床構造は「直床」と「二重床」の2種類がありますよ。
直床とは:
建物の構造体である床スラブに直接床材が貼られている構造。築30年以上前のマンションに多い。下の階の天井裏に配管が通っており、排水管の移動ができないため水回りの移動は困難。
二重床とは:
床スラブの上にスペースを空けて床下地を作り、その上に床材を貼っている構造。基本的に排水管の工事は可能。最近のマンションはリフォームを行う前提で床下の空間に余裕を持たせていることも多い。
直床か二重床かを見極めるのは難しいのですが
- ベランダと室内の床の高さが同じ
- ベランダのサッシが床より10cm以上高い
- 床が少しふわふわする
- カーペットの部屋がある
場合、直床の可能性が高いです。
直床であっても二重床にすることでお風呂の移動が可能になる場合もあります。しかし床を上げるための工事費がかかり、リフォーム後は天井が低くなってしまうというデメリットがあります。
二重床のマンションであっても床下にあまり高さがない場合は、大幅な移動が難しいことも。配管が長くなると十分な勾配が取れず、水が流れにくくなるためです。配管が長くなると費用もかさみますし、水漏れなどのリスクも高くなるので大幅な移動は避けた方がいいでしょう。
物件購入前に移動可能かどうか分かる?
内覧の状態でどこまでお風呂を移動できるのかを見極めるのは難しいです。素人が判断するのは難しいので、リフォーム会社が決まっているのならリフォーム会社の方と一緒に物件を見に行くのもおすすめです。
実際に工事が始まってから移動ができないと分かるケースもあります。我が家は全面リフォームをしましたが、お風呂は当初予定していた場所と変わっています。(直床ですが床のせいではなく、壁が壊せなかったせい)全面リフォームとはいえ、やはり新築とは違うので、希望通りの間取りにできないこともあると思っておきましょう。
お風呂を移動する際の注意点
一戸建てとは異なり、マンションでリフォームを行う際には様々な制約がかかります。
水回りを移動させるときは給排水や換気扇の配管の状態により、移動の可否や範囲が決まってきます。お風呂を移動させる場合、浴室と床下の排水口との距離が長くなると、水が流れにくい・排水できないなどのトラブルの原因になります。リフォームの計画を立てる際には、図面のチェックや現地調査で、移動しても問題なく使用できるか事前にしっかり確認する必要があります。
マンションでのリフォーム可能な箇所は専有部分だけであり、共用部分に手を加えることはできません。たとえば、お風呂を移動させた先の外壁に換気のための穴を空けるなどはNGです。
またマンションにはそれぞれに管理規約があり、その範囲を超えてリフォームすることはできません。マンションによっては水回りの移動そのものが禁止されている場合もあります。リフォーム内容に問題がないかどうか規約を確認し、管理組合にリフォーム工事の許可を得てから工事に取り掛かりましょう。
お風呂を移動するリフォーム費用はどのくらい?
マンションでのお風呂の全面リフォーム(ユニットバスの入れ替え、床・壁・天井の張替え)にかかる費用は、通常50~100万円が相場です。(参考)
お風呂を移動させるリフォームの場合は、その他に
- 既存のお風呂の撤去、処分:20万~25万
- 新規のお風呂の設置:5万~10万
- 給排水管の工事(延長を含む):5~10万
- 電気工事:5万円程度
- 内装工事:20万~30万円
がかかってきます。合計で95~210万円ですね。場合によってはこれ以上の費用が掛かる場合もあります。
費用参考:リフォームのTAKEUCHI
上記に商品価格(スタンダードなグレードのもので50~150万円)が追加されるため、総費用は150~400万円ほどになるでしょう。通常のリフォームのおよそ3倍の費用がかかると言えます。
ただし、これはあくまでお風呂のリフォームのみの費用。お風呂を移動させたら元の位置もリフォームが必要になりますのでリフォーム総額はもっと上がってきますよ。
お風呂を移動したリフォーム事例
最後に、実際にお風呂を移動したリフォーム事例を紹介します。
マンションの全面リフォームでお風呂を移動している人は多いのですが、お風呂をクローズアップした事例が少なかったので戸建ての事例も含めてご紹介します。
リフォーム・リノベーションデザイン実例 #217 港区|craft
費用:2205万円(他工事も含む)
施工期間:3カ月(他工事も含む)
マンションをスケルトンリフォームし、お風呂も移動しました。移動に伴い床に配管を通したため、床高を上げています。
費用:500万円
施工期間:45日間
元々のお風呂が狭く、ユニットバスが入らなかったため移動した事例です。3LDKをワンルームに、かなり大胆に間取り変更をしています。
費用:100万円
施工期間:1カ月(他工事も含む)
こちらは戸建ての事例です。お風呂、洗面所、キッチン、リビングを同時にリフォームされています。
お風呂の移動リフォーム | 狭い洗面所と場所を入れ替え|LIXILリフォームショップ クネサン
費用:294万円
施工期間:2週間
こちらも戸建ての事例です。導線が悪かったため、お風呂と洗面所の位置を入れ替えました。隣に移動しただけでも工事費は結構かかりますね。
費用:800万円
施工期間:40日間
こちらも戸建ての事例です。水回りを一直線にまとめるため、お風呂と洗面所、トイレの位置を移動しています。こだわりのリビングのお家ですよ。
まとめ
マンションでお風呂の移動をしたいと考えている場合は、まずはリフォーム会社と管理会社に確認しましょう。物理的に移動可能かどうか、規約で禁止されていないかを確認する必要があります。
一軒家ほど自由に移動はできませんがマンションでもお風呂の移動はできるケースが多いです。費用はお風呂のみのリフォームに比べると3倍ほどかかってしまいますが、理想の間取りになれば快適な生活を送ることができるでしょう。