トイレをバリアフリーリフォームして手すりを付けたい!適切な位置は?
トイレをバリアフリーリフォームして手すりを取り付ける場合、取り付ける位置が重要です。誤った場所に設置すると立ち座りがしにくい、ペーパーが取りにくい、ということになりかねません。
最近は要介護の人がいなくても、将来を見据えて手すりを設置している人も多いです。今すぐ使用するのではなくても、手すりの位置には注意しておきましょう。
今回はトイレの手すりの位置と種類、実際に取り付けた事例をご紹介していきます。
トイレの手すりの位置と種類
トイレの手すりは大きく分けて2つの目的で設置します。
- 便器からの立ち座り時に使用
- ドアの開閉時に使用
足腰が弱ってくると便器からの立ち座り、ドアの開閉時にバランスを崩し転倒してしまうということがあります。危険を回避するためにこの2か所に手すりがあると安心です。
ただし車椅子を使用していてトイレ内まで車椅子で入れる場合、出入り口の手すりは必要ないですね。
車椅子向けのバリアフリーリフォームについてはこちら。
では続いて具体的な位置と種類を見ていきましょう。
便器からの立ち座り時に使用する手すり
便器からの立ち座りをサポートする手すりには種類があります。
L字型手すり
トイレに設置する手すりで最もメジャーなタイプではないでしょうか。
L型手すりは
- 便器の先端から縦手すりの先端まで:20~30cm
- 便座の上から横手すりまで:20~30cm
の位置に設置すると使いやすいと言われています。
手すりの位置が遠いほど、重心移動によって立ちやすくなります。逆に近すぎると腕力に頼ることになり、また手すりが背中側に行くことで肩を痛める可能性も。とはいえ遠すぎると掴みにくくなってしまうので、この数値がベストになってきます。
手すりの位置によってはペーパーが使いにくくなってしまうので事前にペーパーが巻き取りやすいかも考慮して位置を決めましょう!
I型手すり(横)
便器と正面の壁の距離が近い場合は、正面の壁にI型の横手すりを取り付けるという手もあります。
I型の手すりは
- 便器の先端から壁まで:40cm程度
- 床から手すりまで(高さ):75~80cm
というのが目安です。
便器との距離が近いと男性が用を足すときなどにぶつかってしまう可能性があったり、手すりが低すぎると立ち上がる時に壁に頭をぶつけやすいので注意しましょう。
波型手すり
駅や病院などで採用されることもある手すりです。波型の手すりは持ちやすく、滑りにくいという特徴があります。
便器の横の壁に便器側を高く、徐々に低くなるように斜めに設置。斜めに設置することでL型と同じような使い方ができます。
波型手すりはまだあまり普及していないので、何センチくらいに設置するという目安がありません。実際に立ち座りの動作をしてみて掴みやすい位置に設置しましょう。
可動式手すり
可動式手すりはトイレの横の壁に設置します。上にはね上げられるタイプや、水平に動いて便器の前までスライドできるタイプもあります。スライドタイプは立ち上がりの補助だけでなく、座り姿勢を維持するのもサポートしてくれますね。使っていない時は壁側に寄せておけばOKなので家族の邪魔にもなりません。
こちらも正確な設置位置の目安はありませんので、実際に動作をしてみて決めてください。
ドアの開閉時に使用する手すり
トイレの出入り口付近にはI型の手すりを縦に取り付けると開け閉めがしやすくなります。
50~60cmの手すりが目安ですが、もっと長い手すりを設置すると低い位置でも掴まることができるので転倒防止になります。
設置場所はトイレのドアノブの近くの壁。使用する人の肩の位置よりも高い場所から設置してください。
トイレに手すりを取り付ける時の注意点
トイレに手すりを取り付ける際は、以下のことに注意してください。
1)壁の強度を確認する
トイレの手すりはトイレの壁の裏にある柱に合わせて設置します。柱以外の場所に設置してしまうと強度が弱いので危険なんですよ。
設置したい場所に柱がない場合は補強版を入れ、その上に手すりを設置することになります。素人では判断が難しいのでリフォーム会社に相談してみましょう。
2)使用する本人の動作に合わせる
トイレでの動作はその人によって異なります。本人がどのような動作で確認し、どの位置に手すりを付ければいいのかを決定します。
本人が実際に動作をしてみて決めるのが一番いいですが、同席できない場合は身長などに合わせて設置します。ケアマネージャーさんなどに相談してみるのもいいですね。
漠然と「将来のために」ということで誰が使うのか決まっていない場合でも家族で動作確認をしておくことをおすすめします。
3)手すりの素材・太さを確認
手すりにはプラスチック、木などの素材があります。また太さも異なります。どの手すりが掴みやすいのかは人によって異なるので、こちらも本人に握ってもらって決めましょう。
一般的には直径30~35mmが握りやすいといわれているので、使用する人が決まっていない場合はこのサイズでよいかもしれませんね。
バリアフリーリフォームで手すりを取り付けた事例
リフォームでトイレに手すりを付けた方の事例を紹介していきますね。費用など参考にしてみてください。
費用:52万円
トイレのリフォームをし、手すり一体型の紙巻き器を設置した事例です。すぐに必要という訳ではなく、今後のことを考えての設置です。
費用:990万円(キッチン、洗面所含む)
トイレの壁面を有効利用し、収納できるスペースを確保しました。こちらも将来のために手すりを設置しています。
手すりとハンドグリップを取り付け、将来も安心のトイレ空間に|リノコ
費用:27万5千円
トイレ交換、床とクロスの張替えを行い、将来を見据えて手すりとハンドグリップも取り付けた事例です。手すりは温かみのある木のタイプを選ばれています。
まとめ
トイレに手すりを設置する際は、使用する人に適した場所に設置する必要があります。手すりの太さや素材なども本人が使いやすいものを選んでください。
バリアフリーリフォームとして手すりのみを設置している方は、今すぐ使用するわけではなく、将来を見据えてという方が多いです。
トイレをバリアフリー化させるには手すりだけではなく他のリフォームも必要になるケースが多いです。
他のバリアフリーリフォームについてはこちら。