ベランダ菜園ではどんな虫が発生する?虫除け対策方法をご紹介!
ベランダ菜園をするとどうしても避けて通れないのは虫の発生。植物に危害を与える害虫から、害虫を食べてくれる益虫までさまざまな虫がいます。
特に気を付けたいのは害虫。放っておくと植物が病気になったり、しっかり育たなくなってしまったりします。ベランダ菜園で発生しやすい虫と対策方法を見ていきましょう。
ベランダ菜園で発生しやすい虫
まずはベランダ菜園で発生しやすい虫を見ていきましょう。早めに発見して対策をすれば野菜への被害を最小限に抑えることができます。
植物に危害を与える「害虫」
まずは見つけたら退治したい害虫。大量発生する前なら家にあるものを使って駆除することもできますので対処法も参考にしてみてください。
アブラムシの特徴
画像 | 成虫 |
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色・形 | 黄緑色、手足や触覚が長い |
大きさ | 1~3mm |
発生しやすい野菜 | オクラ・ソラマメ・葉ネギ・ダイコンをはじめとするほぼすべての植物 |
野菜に与える被害 | 葉や枝が真っ黒になる、大量発生すると株全体が枯れる |
早期対処法 | 筆などで払い落とす |
ウリハムシの特徴
画像 | 幼虫、成虫 |
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形 | 黄色でやや丸っぽい |
大きさ | 7mm |
発生しやすい野菜 | キュウリなどウリ科の野菜、インゲン、ハクサイなど |
野菜に与える被害 | 葉と根を食い荒らす、葉の表面に後ができ葉が落ちる |
早期対処法 | 成虫を捕まえて処分する。防虫シートやキャップで対策する |
ヨトウムシの特徴
画像 | 幼虫 |
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形 | 黒くて細長い |
大きさ | 10mm |
発生しやすい野菜 | ナス、セロリ、ゴーヤ、キャベツ、ネギなど |
野菜に与える被害 | 葉の裏に群生して葉や茎を食い荒らす。白く透き通ったような跡が残る。 |
早期対処法 | 卵を見つけたらすりつぶす。背の高い野菜を近くに植える。 |
アオムシ(モンシロチョウの幼虫)の特徴
画像 | 幼虫 |
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形 | 緑色で細長く毛が生えている |
大きさ | 25mm |
発生しやすい野菜 | キャベツ、カブ、カリフラワーなどアブラナ科の野菜 |
野菜に与える被害 | 葉を食い荒らし穴を開ける。春と秋に発生しやすい。 |
早期対処法 | モンシロチョウを見つけらアオムシがいないかチェックする。葉の裏の卵をすりつぶす |
テントウムシダマシの特徴
画像 | 幼虫、成虫 |
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形 | 幼虫:タワシのような形で背中にトゲがある 成虫:テントウムシに似ている |
大きさ | 幼虫:9mm 成虫:6~8mm |
発生しやすい野菜 | ナス、トマト、ピーマン、パプリカ、ジャガイモなどナス科の野菜 |
野菜に与える被害 | 葉と根を食い荒らす(幼虫、成虫とも) |
発生した時の対処法 | 葉を揺らして成虫を落とし駆除する。 |
コナジラミ類の特徴
画像 | 幼虫 |
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形 | 白くて羽が大きい。飛ぶと白い粉が舞い散る |
大きさ | 3mm以下 |
発生しやすい野菜 | ナス、トマト、キュウリ、ゴーヤなど |
野菜に与える被害 | 甘露を排出し、葉や花の表面にすす病が発生したりウイルス病を媒介する |
発生した時の対処法 | 防虫ネットや黄色の粘着シートを使う。夜は葉裏に集まり動かなくなるので退治しやすい。 |
衛生面で悪影響を与える「衛生害虫」
続いては、直接野菜に被害を与えるわけではないのですが、衛生面でよくない衛生害虫。
土の匂いや湿っている箇所、暖かい場所を好む:ハエ、コバエ、ゴキブリなど
二酸化炭素や汗を好む:蚊
などが発生しやすいです。
- 水はけが悪い
- 土が常に湿っている
- 受け皿に水が溜まっている
- 腐葉土や有機肥料を使用する
という状況ですと衛生害虫が発生しやすくなります。虫の嫌がるハーブを一緒に育てたり、水のやりすぎに注意したりすることで対策になります。
ちなみに、我が家で育てているナスにコバエが大量発生したことがあります。直接害がないとはいえ、やはり大量発生すると元気がなくなってしまいました。
容器に水とお酢を1:1で入れ、食器用洗剤を1,2滴垂らした罠を設置したらだいぶ駆除できました。駆除しなくてもいいという意見もありますが、個人的には早めに対策することをおすすめします。
害虫を食べてくれる「益虫」
一方で、害虫を食べてくれる益虫(えきむし)という虫も存在します。これらは害虫を食べてくれ、自然に野菜を守ってくれます。
- ナナホシテントウムシ
- クモ
- カマキリ
などは害虫を食べてくれるので見つけてもそのままで大丈夫ですよ。
ちなみに、ナナホシテントウムシは益虫ですが、先ほどご紹介したテントウムシダマシは害虫です。見た目は少し似ているので間違えないようにしましょう。
テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ・オオニジュウヤホシテントウ):オレンジ色で28個の斑紋(はんもん)がある
ナナホシテントウムシ:赤色で斑紋は7つ
ベランダ菜園の虫除け対策
ベランダ菜園で発生する害虫はそれぞれ、虫に合わせた駆除方法があります。ここでは全般的に虫を発生させないようにする対策方法を見ていきましょう。
虫を寄せ付けない環境づくりが重要
害虫対策は最初が肝心。ベランダ菜園は、水、エサが豊富にあり、暖かいので虫が喜ぶ環境になってしまいます。少しでも虫を寄せ付けない環境づくりをしていきましょう。
丈夫な苗を選ぶ
害虫対策は苗選びから始まっています。丈夫な苗はしっかり光合成することができ、葉の糖分がたんぱく質やでんぷんに変わります。害虫はたんぱく質を含む葉が苦手なので、寄り付かなくなるんですよ!苗の状態だけでこんなに違うんですね。
丈夫な苗とは
- 花や葉がしおれていたり、変色したりしていない
- 虫に食われた跡がない
- 節間(葉や茎が出ている箇所)がつまっている
などです。丈夫な苗をしっかり探しましょう。
最近では、害虫に強い品種なども販売されているので利用してみるのもいいですね。
日当たりと風通しに注意
日当たりのよい場所で育てると野菜が丈夫に育ち、虫の被害を受けにくくなりますよ。
日当たりが気になる場合はこちら。
また虫は高温多湿を好むので、風通しが悪いと虫にとって居心地の良い環境になってしまいます。風通しはこまめにチェックしましょう。
最初は大丈夫でも成長につれて隣のプランターの葉とふれあってしまうことも。葉と葉が重なると風通しが悪くなるのでプランターを離したり、余計な葉をカットしましょう。また、雑草も取り除いてくださいね。
水や肥料をあげすぎない
水のあげすぎで土の上や鉢の底に水が溜まっていると虫が発生しやすくなります。水のあげ方は野菜にもよっても変わりますが、水はけはしっかり確認しておきましょう。
肥料をあげすぎると葉や茎が茂りすぎて風通しや日当たりが悪くなってしまうことも。また、有機肥料はにおいがきついものがあり虫を寄せ付けてしまうこともあります(特にコバエ!)肥料は適切な時期に必要な量を上げるようにしましょう。
コンパニオンプランツで対策するという手も!
コンパニオンプランツとは、お互いによい影響を与え合う組み合わせの植物を一緒に植えることをいいます。一緒に育てると虫よけになったり、味がよくなったり、成長が促進されたりという効果が期待できるんですよ。トマトとバジルなどが有名ですね。
ハーブには虫が嫌がる香りのものも多いので一緒に育てることで虫除け効果が期待できるものが多いです。
野菜によって相性のいいハーブは変わってきますのでこちらのページなどで確認してみてください。
防虫ネットを使用する
虫が侵入しないようにするには、防虫ネットを使う対策方法もあります。すきまなくしっかり張ることで高い効果が得られますよ。
こちらはプランターにつけるタイプ。
こちらはベランダ全体を覆うタイプ。マンションの場合、設置できない場合もあるので管理規約を確認しましょう。
殺虫剤、虫除け剤を使う
最期は殺虫剤や虫除け剤を使うという方法。薬を使うのに抵抗がある方はハーブを使ったものなど、安心できるものを選びましょう。
・置くタイプ
こちらはハーブを使用した虫除け剤です。
こちらはかわいいデザインですが置き型タイプの虫除け剤。9カ月使用できるのもうれしいですね。
・吊るすタイプ
こちらはベランダの竿などに吊るして置くタイプ。
薬剤のない粘着シートを使うという手も。
・スプレータイプ
野菜に直接スプレーするタイプです。発生前に使用すれば予防になりますし、発生後に使用すれば退治することができます。
薬剤を使うのに抵抗がある方は水とお酢を3:1で割った酢水をスプレーするという手もあります。ただし、スプレーしすぎると葉や茎が傷んでしまうの注意!
虫除け剤、殺虫剤は効果のある虫が限られることも。商品をチェックして該当する虫を退治できるかどうかしっかり確認しましょう。
ベランダ菜園の基本的なルールも参考にしてみてください。
まとめ
ベランダ菜園に虫が発生すると、野菜がダメになってしまう可能性もあります。虫や、虫に食われたような跡を発見したら早めに対策しましょう。
知らず知らずのうちに卵を産み付けられてしまっていることも多く、大量発生してしまうと退所ができないことも。虫が発生しない環境づくりが大事になってきますよ。
鳥の被害で困っているという方はこちらの記事をどうぞ。