除湿器と乾太くん、導入するならどっちがいい?
部屋干しをする人が年々増えているように感じます。普段は天日干しの人でも、天候によっては室内で乾かすしかない、ということもあるでしょう。ですが、なかなか乾かない…。
そこで洗濯物を乾かすために衣類除湿乾燥機(除湿器)やガス乾燥機の乾太くんを検討する人も多いと思います。
今回は除湿器と乾太くんならどちらがいいのか見ていきましょう。
除湿器と乾太くんの乾燥のしくみ
衣類除湿乾燥機(除湿器)と乾太くんはどちらも洗濯物を乾かしてくれる家電。洗濯機能はついていないので、洗濯機で洗濯した衣類を部屋干しして除湿器をつけるか、乾太くんに入れるかという工程になります。
乾燥させる仕組みも除湿器と乾太くんでは異なります。
●衣類除湿乾燥機
衣類乾燥機能に特化した除湿器。パワフルな風を送り洗濯物を乾かす。除湿方法は大きく分けて2種類。
●コンプレッサー式
コンプレッサーを使用し、湿った空気を冷やして水滴にして除去する方法。夏場に強い。(冷房除湿に似た機能)
●デシカント式
フィルターに水分を吸着させ、ヒーターで暖めてから熱交換器で冷やし、水滴に変える。冬場に強い。(再熱除湿に似た機能)
さらに、両方の機能を兼ね備えたハイブリッド式もあります。ハイブリッド式は本体価格が高く本体も大きい分、1年中効率よく洗濯物を乾かすことが可能。
除湿器について詳しくはこちら。
●乾太くん
乾太くんとは、リンナイから発売されているガス衣類乾燥機です。ガスで温められた高温の空気で洗濯物を回し乾かします。ガスを使用しているのでパワフル。短時間で洗濯物が乾く!と評判です。
コインランドリーの乾燥機もほとんどがガス乾燥機ですよ。
乾太君について詳しくはこちら。
ドラム式もあるけど、それだと洗濯機を買い替えることになるもんね。乾燥目的なら乾太くんか、衣類除湿乾燥機か…どっちがいいのかな?
除湿器と乾太くんの違い
除湿器と乾太くんの仕組みを踏まえ、使用する際に気になるポイントを比較してみました。
乾燥時間が早いのはどっち?
まずは乾燥時間について。メーカーのデータは以下の通り。
約1時間で除湿器だと2kg、乾太くんだと6kgなので乾太くんの方が3倍の量の洗濯物が乾く、ということになります。
また、除湿器はその日の温度や湿度、洗濯物の干し方によっても乾燥時間が変わってきますね。梅雨時期で湿度が高かったり、冬で温度が低かったりすると乾くのは遅くなります。比べて乾太くんは洗濯物の量さえ守れば乾燥時間は安定しています。
乾燥時間に関しては、乾太くんの方が圧倒的に早いですね。
ただし、乾太くんは使用不可な素材もありますのでご注意ください(使用不可な素材については後程ご説明します)。
菌やダニが抑制できるのは?
乾太くんは高温で素早く乾燥させるため、雑菌やダニの繁殖を抑制する効果も。
一方、除湿機は部屋干しで半日ほど時間がかかります。乾くまでに時間がかかると雑菌が繁殖し、いわゆる生乾き臭の原因になってしまうことも。
除湿器で早く洗濯物を乾かすコツはこちらの記事もどうぞ。
時間も早くて菌やダニも抑制できる…ここまでだと乾太くんが良さそうだね。
衣類を傷めないのはどっち?
続いて、仕上がりや衣類の傷み方の違いです。
- 除湿器:乾燥による傷みはほとんどない
- 乾太くん:衣類に熱風を当て続けるため傷みやすい
乾太くんや洗濯機の乾燥機能を使うと、衣類に熱風が当たるのでどうしても傷んだり縮んだりしてしまいます。
一方、除湿器の場合は風を当てているだけなので乾燥による傷みはほぼないといっていいでしょう。また、天日干しですと紫外線のダメージで色があせることもありますが、室内干しで除湿器を使えば紫外線によるダメージもありません。
また、乾太くんはデリケートな衣類は劣化の原因となるため、使用することができません。
乾太くんが使用できない素材は以下の通り。
- 絹
- ウール
- 毛繊維
- 麻
- ポリプロピレン繊維
- 皮革製品
- ベルベット(毛だおれする繊維)ちりめん和服、和装小物シワやエンボス加工をした衣類色落ちりやすい衣類芯地を使った衣類(ジャケット、ネクタイなど)刺繍、レースを使用した衣類
- (アイロンなどで接着した)ワッペンがついた衣類
- ドライクリーニングや平干し、つり干しの表示のついた衣類
参照元:ふじっちポータル
ウールや毛繊維、麻などが使用できないので冬場は洗濯後に乾太くんに入れる衣類とそうでない衣類を仕分けすることが多くなりそうです。
反対に除湿器の場合、使用できない素材は特にありません。
衣類ダメージは除湿器の方が圧倒的に少ないですね。
使えない素材があるのは結構大きいね…。そう考えると衣類除湿乾燥機のほうがいいのかなぁ。
タオルがふわふわに仕上がるのは?
乾太くんで乾燥させると衣類にダメージを与えてしまうことは確かなのですが、タオルがふわふわになる!という声も多いです。
ドラム式も「タオルがふわふわ」という声が多いですが、この方はドラム式以上にふわふわになると感じているようです。
コストがかからないのはどっち?
最後にコストについて見ていきます。本体価格とランニングコストそれぞれどちらがお得なのでしょうか?
●初期費用
乾太くんを導入する場合、工事が必要です。(工事について詳しくは次の章で)また、設置する専用の台も必要なので初期費用は本体価格+工事費+設置台の費用がかかります。除湿器は工事など不要で購入すればすぐに使用できますよ。
乾太くんは工事が必要、ということもあり、初期費用は除湿器の方が安いですね。
●ランニングコスト
続いて、洗濯物が乾くまでにどのくらいの電気代がかかるのか見てみましょう。
乾太くんは都市ガスか、プロパンガスかによってガス代が変わります。また、運転するのに使用する電気代もかかります。
除湿器の電気代は、洗濯物の量によっても変わってきますが、ランニングコストも除湿器の方が安く済みそうですね。
導入が手軽なのはどっち?
先ほどもお伝えした通り、乾太くんを使用するにはガス栓が必要です。近くにガス栓がない場合はガス工事をしなくてはいけません。ガス栓がないオール電化の家の場合はガスの開栓から行う必要があります。
また、内部の湿気を逃がすため、壁に穴を空けて排湿筒を設置します。壁に穴を空ける工事は基本的にマンションではできません。ですからマンションでは設置できない場合が多いです。
乾太くんは導入に時間がかかる上、設置できないケースもあるんですね。
除湿器は工事も許可もいりませんので誰でも簡単に導入することができます。
うーん、こうやって見てみると衣類除湿乾燥機の方が良いのかな。でもふわふわタオルとか、短時間で乾燥できる乾太くんはちょっと憧れちゃうよね。
まとめ
除湿器(衣類除湿乾燥機)と乾太くんの違いを見てきました。
どちらも洗濯機能はなく、一度洗濯機から取り出して使用しますが、使用方法や乾燥の仕方などは大きく異なりますね。
乾太くんはパワフルでしっかり洗濯物が乾きますが、衣類が傷む、コストがかかるというデメリットも。その分除湿器は手軽に導入が可能です。どっちがよいのかは生活スタイルなどによって変わってきますのでご家庭で検討してみてください。
衣類を乾燥させるにはドラム式洗濯機の乾燥機能を使っている人も多いですよね。ドラム式洗濯機も含めて比較したい方はこちら。