戸建ての全面リフォームの工期はどれくらい?着工から完成までの期間の目安
引っ越した直後は快適でも、長年住んでいると不具合が出てくることがありますよね。築年数が20~30年を超えると、設備が老朽化して使い勝手が悪くなったり、間取りが生活スタイルに合わなくなったりしてきます。
家の中でリフォームしたい箇所がたくさんある場合、家を丸ごと改修する全面リフォームを行うのも1つの手です。1つ1つリフォームするよりも費用や工期が抑えられることもあるんですよ。
ですが、一体工事にはどのくらいの期間が必要なのか、気になりますよね。戸建ての全面リフォームの大まかなスケジュールについて、工期の長さに影響するポイントを交えながらご紹介します。
全面リフォームって、どうやって進めるの?
全面リフォームとは、家全体の内装や設備を改修する大掛かりなリフォームです。全面リフォームといっても内装だけの場合もありますし、外壁や屋根を含む場合も。基礎と骨組みだけを残して新たに家を作り直すスケルトンリフォームと呼ばれる方法もあり、間取りや建物の構造自体を変更することもできます。
当然ですが、どこまでリフォームするかによって進め方も変わってきますし、工期も変わってきます。
スケルトンリフォームについて詳しくはこちらもご覧ください。
全面リフォームのスケジュール
全面リフォームは具体的にどのようなスケジュールで行うのでしょうか。工期以外の部分の期間も含めて見ていきましょう。
1.リフォームの計画を立てる(1カ月~)
リフォーム箇所の決定
まずはどのようにリフォームしたいのか家族で要望をまとめておきましょう。業者を交えてから細かいプランは決定しますが、家族で意見がバラバラですと打ち合わせにも時間がかかってしまいます。
水回りを変更する、間取りを変える、外壁を塗り替えるなど絶対に行いたいことと、できればやりたいことをリストアップしておくといいですね。
予算の決定
実際に依頼してみないとどの位の費用が掛かるのかはわかりませんが、いくらくらいまでリフォームにかけられるのかあらかじめ考えておく必要があります。
理想を詰め込むと費用はどんどん上がってしまいますので、予算の中で出来ることを行うように優先順位をちゃんと考えておくといいでしょう。
戸建ての全面リフォームの費用についてはこちらの記事で紹介しています。
リフォーム会社の決定
リフォーム内容が決まったらどの会社に依頼するのかを検討しましょう。例えば水回りを強化したいのであれば水回りに強い会社。間取り変更を行いたい場合は間取り変更の実績のある会社を選ぶようにしましょう。
初めから1社に決めるのではなく、複数の会社に見積もりを依頼してから決定するというのもありですよ。
リフォーム会社の選び方に関してはこちら。
リフォーム会社の決定までは家族だけで行うことになります。集中して行えば1カ月程度で済みますが、後回しにしていると半年以上月日が経っていることも。リフォームしたいと思ってから完成まで半年から1年はかかります。いつまでに完成させたいという希望があるのなら逆算して早め早めに動くようにしましょう。
2.リフォーム会社との打ち合わせ(2~3カ月)
訪問・現地調査
まずはリフォーム会社の方が実際に訪問し、現状を確認します。
リフォームプランの決定
家族の要望や予算を元に、リフォーム会社がリフォームプランを制作します。水回りの商品を実際みたい場合はショールームなどに足を運ぶこともありますよ。仕上がり、予算が納得するまで打ち合わせをくり返します。大体の工期も事前にわかりますのでこの時期までに終わらせたい!という希望がある場合はあらかじめ伝えておきましょう。
工事の前のプランニングの段階でリフォーム担当者としっかり打ち合わせをしておかないと、発注ミスや仕上がりのイメージ違いの原因になります。プランニングの段階で工事担当者から完成予定日が知らされますが、解体してみて分かることもあるため、正確な工期が分かるのは工事に取り掛かった後になります。
ショールーム見学についてはこちらの記事もどうぞ。
契約
リフォーム内容、費用、工期に納得したうえで契約となります。契約後も細かい色などの打ち合わせが入ります。
3.リフォーム工事(2~4カ月)
着工前現地調査
工事の前に担当者が自宅を訪問し、最終確認をします。水回りが使えない日程などもこの時分かることが多いです。
近所や管理会社などへの挨拶
リフォーム工事でご近所に迷惑がかかることもあるので事前に挨拶をしておきましょう。工事会社が代わりに行ってくれる場合もあります。
また、マンションの場合は管理会社への届け出が必要なケースもあります。
荷物の移動、引越し
住みながらリフォームする場合は、工事日程に合わせて荷物を移動させます。スケルトンリフォームなどを行う場合は一度仮住まいに引越しすする形になります。
仮住まいに関してはこちら。
工事
実際のリフォーム工事がスタートします。リフォームの工期というのはこの工事部分、工事が始まってから終わるまでを指します。工事自体は1~3カ月程度が多いですが場合によっては半年以上かかることもありますよ。
工事が始まってからも現場にはなるべく顔を出して進捗を確認し、気付いたことがあったらすぐ担当者に連絡できるといいですね。ただし工事が始まってからの追加や変更は工期を遅らせることもあります。
住みながらリフォームの場合はお茶出しなどが必要になることもありますよ。
引き渡し
工事が完成後、工事部位を確認して引き渡しになります。
戸建ての全面リフォームの工期
戸建の住宅を全面リフォームする場合、延べ床面積100㎡以内であれば工期は1~3ヵ月くらいです。室内だけのリフォームでしたら工期が短くなることが多いです。逆に、スケルトンリフォームの場合は3ヶ月以上かかることもあります。住みながらリフォームする場合も工期が長くなる傾向です。
工期が長くなる要因
1カ月で終わることもあれば半年以上かかることもある全面リフォーム。その差は何なんでしょうか。
- 家の規模が大きい
- 施工そのものに時間がかかる
- 天候の問題
- 周囲の状況
- 築年数が20年を超えている
1,家の規模が大きい
床面積が大きい、階層が多いとそれだけ工期がかかります。
2,施工そのものに時間がかかる
複雑な構造であったり、内装に凝っていたり、重い材料を使用したりする場合は施工に手間がかかり工期が延びます。
3,天候の問題
エクステリアは天候によって工事が出来ない場合があります。梅雨時期や、雪が積もる地域の冬場は工期が長くなる傾向にあります。
4,周囲の状況
住宅密集地の場合、近隣への騒音を配慮して1日あたりの工事時間が短くなったり、搬入・搬出時の制限から工期が長くなったりすることがあります。また自宅前の道路が狭いと、資材を搬入・搬出する際に時間がかかります。
5,築年数が20年を超えている
老朽化していることが多く、床下や柱が傷んでいると補修工事が必要になります。特に基礎部分の補修が必要な場合は工事に時間がかかるため、工期は長くなります。これは解体を始めてみないと分からないことなのであとから工期が伸びることもあります。
マンションの場合、少し工程が変わってきます。マンションの全面リフォームの工期にいてはこちら。
戸建ての全面リフォーム事例
最後に、実際に戸建てを全面リフォームした事例をご紹介します。どのくらいのリフォームでどのくらいの工期がかかるのかなど参考にしてみてください。
リフォーム箇所:キッチン、トイレ、洗面、リビング、玄関
費用:1,100万円
工期:2カ月
全面リフォームをし、間取りも変更している事例です。キッチンや浴室の場所を変更し使いやすい間取りになりました。
リフォーム箇所:トイレ、2F洗面化粧台、床、壁・天井:クロス、床暖房設置、階段架け替え、建具新調、サッシ、ウッドデッキ新設、外壁塗装、防蟻工事、増築
費用:1,285万円
工期:3カ月半
受け継いだ実家を自分たちが使いやすいようにリフォームした事例。間取り変更はもちろん、増築やウッドデッキの新設も行っています。
リフォーム箇所:天井、壁、床、サッシ・網戸交換、ドア、ウッドデッキ新設など
費用:520万円
工期:28日間
こちらは間取りの変更や水回りの変更などは行わず、家全体の天井、壁、床などの張り替えを行った事例です。工期も費用も少なめですが雰囲気はガラッと変わっています。
リフォーム箇所:屋根、外壁、間取り変更、増築、テラスの新設など
費用:2,300万円
工期:3カ月半
築60年の古民家をリフォームした事例です。工事の様子も詳しく乗っているので参考になると思います。
子育て世代をコンセプトにリノベーション|LIXILリフォームショップ
リフォーム箇所: 玄関、キッチン、脱衣所、トイレ、洋室、和室、浴室、リビング、外壁、屋根、駐車場、庭
費用:1,000万円以上
工期:7カ月
こちらは中古を買ってリフォームした事例です。スケルトンではないのですが断熱工事を行ったり、駐車場や庭にまで手を入れているので7カ月かかっています。場合によってはこのくらい工期がかかるということも頭に入れておきましょう。
まとめ
全面リフォームを行う際はプランの打ち合わせなどにも時間がかかります。実際の工期自体は3カ月程度だったとしてもリフォームをしようと思ってから完成までには半年から1年ほどかかると考えておきましょう。
全面リフォームは、条件によっては新築同様の工期がかかることもあります。天候や環境の影響で工期が長くなるのは仕方のない部分もありますが、予定していた期間を大幅に超えると生活に支障が出てしまいますよね。
工期が適正な範囲で完了するためには、信頼できる担当者を見つけることが大事です。やむを得ない理由で工事が遅れる場合でも、担当者がきちんと説明してくれれば安心してリフォームを任せられます。工事担当者とのこまめなコミュニケーションがリフォーム成功のコツです。
全面リフォームをする場合、住みながらリフォームができるのかというのも気になるところ。住みながらのリフォームについてはこちらをご覧ください。