『オイルヒーターは乾燥しない』と言われるのはなぜ?理由を調べてまとめてみた
乾燥しない暖房機器として挙げられることが多いオイルヒーター。実際のところはどうなのでしょうか。
なぜ、乾燥しないといわれるのかについて今回まとめてみました。
オイルヒーターは乾燥しないって本当?
「乾燥しないから」という理由でオイルヒーターを購入する人も少なくないはず。オイルヒーターは乾燥しないといわれているものの、暖房する以上、乾燥はするはずなんです。
暖房で空気が乾燥する理由
暖房機器を使うとなぜ乾燥するのでしょうか。それには温度と湿度が関係しています。
温度と湿度の関係はこのページが分かりやすいです。
『空気を温めた場合』のアニメーションの通り。
湿度というのは、空気中に含まれる水分(水蒸気)の割合です。空気中に存在できる水蒸気量の限界を飽和水蒸気量と呼び、飽和水蒸気量に対して何パーセントの水分を含んでいるのかが湿度(◯◯%)になります。
温かい空気の方がたくさんの水分を抱え込みやすく、冷たい空気だと水分を抱え込めない。夏場に冷たい飲み物を入れたコップは結露しますが、これは夏の温かい空気が冷たいコップで冷やされることで、抱え込めなくなった水分がコップに付くからなのです。
ということで、先ほどのアニメーションの通りなのですが、空気を温めても空気中に含まれる水分の量自体は(加湿しない限り)増えないので、相対的に湿度は下がります。
例えば冬のある日、気温10℃で湿度30%の場合、空気中に含まれる水分量は2.8g/㎥。暖房して温度が上がると湿度は以下の様に変化していきます。
温度 | 相対湿度 |
10℃ | 30% |
12℃ | 約25% |
16℃ | 約20% |
参照元:ウェザーニュース
水分量は変わらないので気温が上がるとどんどん湿度が下がります。ですから暖房をつけると乾燥するんですね。
乾燥する暖房=エアコンというイメージがあるかもしれませんが、水蒸気が増えない暖房機器はすべて同じです。暖房で温度を上げると(加湿しない限り)湿度は下がってしまうのです。
オイルヒーターも例外ではなく、オイルヒーターで室温が上がれば相対湿度は下がります。つまり、オイルヒーターでも乾燥するということになりますね。
なぜオイルヒーターは乾燥しないといわれれるの?
物理的にはオイルヒーターでも乾燥する、ということが分かりました。ではなぜ、オイルヒーターは乾燥しないといわれているのでしょう。
オイルヒーターを使っている人の声は?
実際にオイルヒーターを使っている人はどう感じているのでしょうか。
オイルヒーター使うようになって、夜が快適すぎてびっくり。
乾燥しないし、心地よい温かさだし、最高。— タナベコウキ 写真展「風光」2月16-22日 (@Light_ChaserP) February 9, 2024
エアコン新しくしてオイルヒーターから替えたら乾燥がエグい…
— てらのこ (@zurazurapanda) February 8, 2024
寒すぎて暖房が機能せず。電気代無視でオイルヒーターつけたけど早よつければ良かった😭😂😂全然違う。やっぱ空気乾燥せんし、喉のこと考えて完治するまでオイルヒーターにします💧
— あー@ナース (@yukaaaaa0930) February 5, 2024
実際にオイルヒーターを使っている人は「乾燥しない」と感じている人が多いようです。
オイルヒーターで有名なデロンギのホームページにも、乾燥感が少ないと感じた人が85%というデータがありますね(参照)。
オイルヒーターが乾燥を感じにくい理由
実際にオイルヒーターを使っている人は乾燥を感じていない人も多いですね。オイルヒーターはエアコンに比べて乾燥を感じにくい理由は大きく分けて2つ。それぞれ見ていきましょう。
1,風を発生しない
エアコンの場合、温風を発生させ室内を暖めます。ですから早く温まるのですが、温風が喉や肌にあたると乾燥を感じます。風が当たることで肌の水分が乾燥しやすくなるということでしょう。
エアコンが直撃する場所に座っていると肌の乾燥を感じる人も多いのではないでしょうか。
オイルヒーターの場合、風は発生しないので温風による乾燥は感じません。
2,温度変化が緩やか
エアコンの場合は一気に室温が上がるため、一気に相対湿度が下がることになります。ですから余計に乾燥を感じやすいのでしょう。
オイルヒーターはゆっくりと暖まる=湿度もゆっくり下がるため、エアコンに比べて乾燥しにくいと感じる人が多いのではないでしょうか。
オイルヒーターはこの2つの理由で乾燥を感じにくいですが、実際に乾燥しない訳ではないという点には注意が必要です。
部屋を乾燥させないためにはどうしたらいい?
オイルヒーターには他にもおすすめのポイントがありますが、「乾燥しないから」という理由でオイルヒーターを選ぶのは間違いです。
ではどんな暖房を選べばいいのでしょうか。
オイルヒーターは電気代が高いというデメリットも。詳しくはこちら
乾燥しない暖房機器は石油やガス!
乾燥しない暖房機器は石油ストーブ、石油ファンヒーター、ガスストーブ、ガスファンヒーターです。(※ただしFF式を除く)
石油やガスを使用する暖房機器は、燃焼時に水蒸気が発生します。温度が上がるだけでなく、空気中の水蒸気量が増えるので乾燥しにくいんですよ。ストーブの上にやかんなどが置けるタイプなら更なる加湿効果もあります。
温度だけでなく湿度も上がるので暖かさを感じやすいというメリットも。「乾燥しない」ということを第一に考えるのならおすすめはガスや石油になります。
とはいえ、ガスや石油の暖房機器にはデメリットもたくさんあります。導入工事が必要だったり、灯油を入れる手間がかかったり、換気が必要だったり・・・。マンションなどでは導入が禁止されている場合もありますよね。
「乾燥しない」というメリットだけでなく、デメリットも踏まえた上で導入を検討してみてください。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
乾燥対策には加湿器を導入しよう!
エアコンを使っていて乾燥を感じるのなら、暖房機器を替えるよりも加湿器の導入をおすすめします。やはり乾燥対策には加湿器が一番です。
また、湿度が上がることで暖かさも感じやすくなりますよ。
加湿器を置く場合は部屋の中央、もしくはエアコンの風が当たる場所に置くとより効果的です。
空気清浄機との一体型加湿器が気になる方はこちらの記事もどうぞ。
加湿器以外を使わない加湿のアイデアもありますが、あくまでない時の代用という形になります。詳しくはこちら。
まとめ
オイルヒーターは乾燥しない、といわれることが多いですが、オイルヒーターに水蒸気を発生させる仕組みはありません。実際は温度が上がることで湿度が下がります。
温風がなく、温度変化が緩やかな分エアコンよりは乾燥を感じにくいかもしれませんが、実際には乾燥しています。乾燥しないことを目的にするのなら、オイルヒーターを購入するより、加湿器を導入することをおすすめします。