風呂場や洗面所は温度のバリアフリー化も!断熱リフォームでどのくらい変わる?
バリアフリーリフォームというと段差をなくしたり、手すりを付けたりすることを指すのがほとんどですが、今回は「温度のバリアフリー」についてお話していきます。
寒い風呂場、洗面所、トイレには危険が潜んでいます。ぜひ、温度のバリアフリー化にも目を向けてみてください。
温度のバリアフリーとは?
温度のバリアフリーとは、簡単に言うと室内の温度差をなくすことです。風呂場、洗面脱衣所、トイレなど他の部屋に比べて極端に寒い場所はありませんか?室内の急激な温度変化はヒートショックを引き起こしてしまう危険性があるんです。
ヒートショックとは?
急激な温度変化で血圧が上がり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことをいいます。
温かい場所から寒い場所に行くと、体の熱を保つために血圧が上がります。逆に寒い場所から暖かい場所に行くと血管が緩み血圧が下がります。
この血圧の変動を繰り返していると心臓に負担がかかり、最悪の場合心筋梗塞や脳卒中を引き起こしてしまうんです。
ヒートショックは誰にでも起こりえることですが、特に血圧が高い方や高齢の方は注意した方がよいでしょう。詳しくはこちらのページなどを参考にしてください。
ヒートショックを防ぐためにも温度のバリアフリーといって、温度を一定に保つ事が重要になってくるのです。
温度のバリアフリー化のためにできること
温度のバリアフリー化をするには、断熱性を高めることです。外から寒い空気が入ってくる速度を遅くすることで急激な温度変化を避けることができます。
北海道や東北など寒い地方では、元々断熱性が高い住宅が多いです。入浴中の死亡事故件数は北海道が沖縄に次いで全国で2番目に少ないというデータもあります。(参考)
既存の住宅でも断熱材を入れるリフォームをすることは可能です。
断熱の方法・種類などについて詳しくはこちら。
断熱材を入れるとどのくらい変わる?
断熱材を入れるリフォームは、費用も工期もかかり大規模リフォームになります。すでに住んでいる家をリフォームするとなるとなかなか決断しにくいかと思います。実際に断熱材を入れるとどのくらい温度が変わるのでしょうか?
断熱リフォームの方法、断熱材の種類、外気温などによって大きく変わりますので具体的な温度を伝えるのは難しいのですが、実際断熱リフォームをした方の声を紹介しますね。
リビングの断熱リフォーム(窓を樹脂サッシ×断熱ガラス+ハニカムスクリーン)をしたら、昨冬までは朝起きたら氷点下が当たり前だったリビングの気温が、今朝は5℃で効果を実感。今朝の白馬の最低気温は氷点下10℃にもかかわらず。
— S太 ゲイ負け犬 (@gaymakeinu) December 22, 2020
この方の場合、室温が5℃以上上がっていたということですね。温度を実際に測っていると違いが分かりやすいですね。
外気は現在-5℃、リフォームしてない部屋は0℃、リフォーム途中で天井と床に中途半端に断熱材入れた部屋は4℃。効果を体感できるのはある意味面白い(^_^)
— 晴れときどき虹 (@harainbow1) December 15, 2020
断熱材を入れた部屋と入れていない部屋の温度差が4℃!これは効果が分かりやすいですね。
けさは外気温が10℃を切ってるようですが、起床時点で引きこもり部屋の室温は17.8℃。20℃を切ると寒く感じるのでストーブをつけたらものの30分で4℃上がって21.8℃。……「外にいるのと同じ寒さ」だった昨冬と比べ、断熱リフォームの効果は多少あったのかな。
— よんなん (@yon_nan) November 15, 2011
断熱リフォームをしたことで、暖房の効果も上がっていることを実感されていますね。
リフォームで二重窓&壁に断熱材したけど全然違ったね!よかったね!! 寒くてというよりは、結露がひどかったからやったんだけど。
— 火事屋毎月30日パパドラ更新 (@kaziya21) October 28, 2010
結露対策で断熱リフォームをされた方です。ですが寒さの軽減も実感されているようですね。
先行しているほうの空き家のリフォーム、ついに屋根ができた。サビッサビでべっこべこだった屋根がなんということでしょう。今日はわりと暑いんだけど、断熱材入れたから締め切ってるのにさほど暑くない。入れてよかった断熱材。 pic.twitter.com/gCqSS0Koue
— パラベル@田舎不動産運用家 (@parabell_life) June 8, 2020
この方は夏にリフォームされているので暑さの軽減を実感されていますね。もちろん、寒さにも効果があったでしょうね。
断熱材以外にできることはある?
断熱材を入れるだけが断熱リフォームではありません。他に断熱性を高めるための方法をご紹介しますね。
窓の気密性を高める
冷気が最も入ってきやすいのは窓です。特にお風呂や洗面脱衣所、トイレ等の狭い空間は窓の断熱を行うだけでも寒さが軽減します。
窓の断熱リフォームは大きく分けると
- 二重窓にする(内窓をつける)
- ペアガラスにする(もしくはトリプル)
の2種類。
窓の断熱リフォームについてはこちらの記事をご覧ください。
断熱材+窓やドアのリフォームを行うとより効果は高くなりますよ。バラバラにリフォームするとその分工期もかかってしまいますのでまとめてリフォームすることをおすすめします。
窓やドアからの隙間風が寒いという場合はこちらの記事をどうぞ。
床材の変更
風呂場や洗面所、トイレの床はタイルを使っていることもありますよね。タイルは水に強く水回りにおすすめの素材の1つではあるのですが、冷えてしまって寒い。というデメリットも。
足元がヒヤっとするとヒートショックにつながりやすいので床材を変更するだけでも違います。床を張り替えた後にやっぱり断熱材も、となると二度手間になってしまうので断熱材を入れるかどうかも検討してみましょう。
お風呂の床材についてはこちら。
すぐにリフォームできない場合はこちらも参考にしてみてください。
ユニットバスの導入
在来工法のお風呂をしている場合、ユニットバスに変更するだけでも風呂場が暖かくなります。床や壁がタイルになっているような昔ながらのお風呂は在来工法ですね。
ユニットバスというのは、浴槽、床、壁、天井までが一体になっているお風呂です。つなぎ目がないので在来工法に比べて暖かいです。実際に寒さを軽減させるためにユニットバスに変更する人も多いですよ。
床材を変更したいと考えているなら思い切ってユニットバスにしてしまうのもおすすめです。
在来工法とユニットバスの違いについて詳しくはこちら。
温度のバリアフリー化を意識したリフォーム事例
最後に、温度のバリアフリーを意識してリフォームをされた方の事例を紹介しますね。どんなリフォームをされているのか参考にしてみてください。
冬場の寒いお風呂と脱衣所、トイレ。断熱リフォームで快適に。|近鉄のリフォームNewing
費用:320万円
リフォーム箇所:風呂、洗面所、トイレ
寒い水回りをリフォームした事例です。風呂場の窓は二重窓に変更。トイレの床には断熱材を入れています。段差にも考慮されていますよ。
タイルのお風呂からシステムバスへ。サイズの大きい浴室だったのでメーカーを厳選してタカラのぴったりサイズで施工ができました|ライフプラス
費用:150万円
リフォーム箇所:風呂
在来工法のお風呂からユニットバスに変更した事例です。ユニットバスのサイズがなかなか見つからなかったのですがぴったりのものを見つけることができました。浴槽はホーローで冷めにくいのもポイントです。
費用:不明
リフォーム箇所:トイレ
トイレがとにかく寒いということで壁と床に断熱材を入れ、窓をペアガラスにしています。タイル貼りから床材、壁材も変えて暖かいトイレに生まれ変わりました。
これでもうお風呂は寒くない!システムバスへのリフォームに大満足!|南雲ハウジング
費用:103万円
リフォーム箇所:風呂、洗面所
タイル貼りのお風呂をリフォームした事例。パナソニックの「AWE/MXV―1216ハイバス」というユニットバスを採用。浴槽だけでなく、壁、天井、床にも断熱効果があるユニットバスですよ。浴室暖房もつけているのでさらに暖かいですね。
費用:1,673円
リフォーム箇所:全面リフォーム
両親の住んでいた家を二世帯住宅にリフォームした事例です。段さと温度のバリアフリーにこだわっています。特に親世帯の水回りは広さもあり、バリアフリーに特化していますね。
まとめ
温度のバリアフリーリフォームについて見てきました。「たかが寒いだけ」と思われてしまいがちですが、風呂場やトイレが寒いとリラックスできないだけでなく、ヒートショックを引き起こしてしまう危険性があります。
特に古い水回りの場合は、新しいものに交換するだけでもだいぶ寒さが軽減しますのでぜひ検討してみてください。