
日本は地震大国です。毎年のように日本各地で地震があり、近い将来にさらに大規模な地震が起こることが予測されています。
地震への不安は誰しも感じていることですが、動物を飼っている人にはさらにペットの命も守る義務が発生します。中でも犬・猫以外のペットについては、情報集めに苦労されている方もいるかもしれません。
いざというときのため、鳥・魚・爬虫類の地震対策についての情報をまとめました。
目次
はじめに
ペットがいる・いないに関わらず、家の中の安全対策は防災の基本です。家具の固定方法や中身の飛び出し防止対策についてはこちらの記事を参照してください。


また地震が起こった際は、まず自分の命を最優先に守りましょう。自分の身の安全を確保し、揺れが収まってからペットの元へ向かいます。ペットの地震対策に関する基本的なことは犬・猫を飼っている場合と共通していますので、こちらの記事も是非ご一読ください。

以上を踏まえて、鳥・魚・爬虫類を飼っている場合それぞれの地震対策をご紹介します。
鳥の地震対策

防災グッズ
震災時は人間向けの救護物資が優先的に届くため、ペット用のエサや日用品はなかなか手に入らない場合もあります。日頃から5日〜1週間分をストックしておきましょう。
- フード、水(鳥種に合わせた飲用水)
- 食器
- 薬
- ケージ(普段から使っているもの)
- キャリーケース
- 大判の布(風呂敷、バスタオル、ブランケットなど)
- ケージが入る袋
- 衛生用品(ティッシュ・ウェットティッシュ・ビニール袋)
- 敷紙(新聞紙・キッチンペーパー)
- ガムテープ
- ナスカン・カラビナ・クリップ(カゴの扉が開かないようロック)
- カイロ、保冷剤
またペットの情報(名前・鳥の種類・外見の特徴・年齢・性別・既往歴・かかりつけの動物病院など)をまとめておくと、病院にかかるときやはぐれたときなど役に立ちます。
無料でダウンロードできる健康手帳のテンプレートもあるので、活用しましょう。
安全対策
もし地震が来たら、鳥かごは安全でしょうか?地震の揺れによって、こうした被害が予想されます。
- 鳥かごが転倒・転落
- 鳥かごに物がぶつかる
- ガラスが割れて破片が鳥かごに
- 鳥がパニックを起こして鳥かご内の物や壁にぶつかる
地震の際に飼い主がすぐに駆けつけられるとは限りません。自宅に誰もいなくても大丈夫なように、鳥かごの安全対策を実施しましょう。
- 固定した家具の上に鳥かごを置く
- 鳥かごの下に耐震マット・滑り止めシートを敷く
- 鳥かごの周囲に背の高い家具・家電を置かない
- 鳥かご周辺の家具や家電は固定、近くに落ちそうな物を置かない
- 鳥かごを窓ガラス付近に置かない
- ガラスに散乱防止フィルムを貼る
- 窓は常にレースカーテンを閉めておく
- 鳥かご内のレイアウトはなるべくシンプルに(パニック時のぶつかり予防)
地震時の注意
地震の揺れで鳥がパニックになっている場合は、優しく声をかけて落ち着かせます。
さっき寝ようと思ったら地震きてリビングでオカメパニック…地震もだけどパニックおこしてる時はやく声かけなきゃだから焦る(>_<)こわかったね~😭 pic.twitter.com/cBXb4E5MuN
— PichikoO(飼い主たにり) (@kysg04) May 27, 2017
自宅から避難しなくてはいけなくなったら、原則としては「同行避難」が定められていますが、状況を考慮してペットを連れていくかどうかを判断します。
同行避難とは…
災害発生時に飼い主が飼育しているペットを同行し、避難所まで安全に避難すること(東京福祉保健局HPより引用)
ペットを連れて避難する際は、キャリーケースに鳥を入れて避難します。普段からキャリーケースに慣れさせておくとスムーズです。鳥かごに入れて避難する際は、扉が開かないようロックしておきましょう。必要なものは全て持参します。
あっ、そうそう。地震でに備え、鳥籠の近くに緊急避難用の小箱を用意してます。厚紙で作って四方八方に覗き穴をあけてます。小鳥屋さんが販売の時に用意してくれる小箱をやや大きくしたもの。避難する際にバッグにさっと収めて移動できるようにと用意しました。いざという時の為に、愛する彼らの為に。 pic.twitter.com/1zIv3W5AcN
— 映太郎 (@a_taro_1963) August 4, 2019
ペットを置いて避難する際は、鳥かご周囲の危険物を片付けて、エサと水を多めに準備しておきます。余震が起きて隙間が空いた際に逃げ出さないよう、脱走対策もしておきましょう。
魚の地震対策

水がなくては生きていけない魚は、水槽や機器の耐震措置が命を守ることに直結します。水槽が倒れたり壊れたりしないよう、もし壊れた場合に代わりの環境を与えてあげられるよう準備しましょう。
防災グッズ
地震に備えて準備しておくものは、水槽や機器が破損した場合、停電した場合を想定して考えます。
- エサ
- 予備の水槽(たらいやバケツでも可)
- 乾電池式エアポンプ
- 酸素石
- コンセント対応のモバイルバッテリー
- 断熱シート(水槽を覆うことができる大きさ)
- カイロ
安全対策
地震の揺れで、次のような被害が予想されます。
- 水槽が台から落ちる
- 水槽が割れる
- 水槽に物が倒れかかる、ぶつかる
- 水槽内の水がこぼれる、こぼれた水がコンセントにかかる
- 魚が水槽外に投げ出される
- 停電してエアーポンプやヒーターが止まる
こうした事態を踏まえて、日頃から準備をしておきましょう。
- 水槽の固定
- 免震装置を設置…★
- 水槽を置いている台の転倒防止対策
- 水槽に飛散防止フィルムを貼る
- 水槽内のレイアウトを工夫する(重いものは底の内側に)
- 水槽付近の家具の転倒防止対策を実施する
- フランジ付きの水槽にする…★
- 水槽に蓋をし、固定する
- コンセントを水槽から離す
- コンセントを保護する…★
水槽に特化した★マークの項目について、詳細を解説します。
免震装置を設置
水槽が大きく揺れると、中の水も揺さぶられてバランスが悪くなり、転倒・落下しやすくなります。水が溢れて魚が外に出てしまう恐れもあるので、揺れを最小限に抑えるのが望ましいです。
そこでおすすめなのが、小型の免震装置です。水槽に取り付ければ、揺れを軽減させることができます。
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フランジ付きの水槽にする
フランジとは、水槽の上側開口部に縁取りのように付けるパーツのことです。本来は水圧で水槽の壁が変形しないようにするためのものですが、地震の際はフランジが返しの役割を果たして水が溢れるのを防ぎます。
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コンセントを保護する
コンセントに水がかかると漏電したり、片付けの際に感電したりする恐れがあってとても危険です。防水カバーをつけて、水槽の水がこぼれてもコンセントにかからないようにしましょう。
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防水機能付きの電源タップもおすすめです。
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地震時の注意
地震が来て揺れが収まったあと、水槽の安全確認をしましょう。その際に漏電や感電を防ぐため、まず電気機器のコンセントを抜きます。
余震が来る可能性もあるため、水槽の水を減らしましょう。
地震の際の水槽への対処について、下記のサイトで詳しく解説しています。参考にしてください。
やむを得ず避難する際はブレーカーを落とし、水槽の周りに倒れかかったりするような危険物がない状態にしておきます。
爬虫類の地震対策

爬虫類といっても小型のカメやトカゲから大型のヘビやワニまで、種類は様々です。それぞれの種類で必要な物やお世話の仕方は異なりますので、ここでは基本的な共通項目についてご紹介します。
防災グッズ
災害時にはペットのためのグッズは手に入りにくくなります。普段から多めに準備しておきましょう。
- 通気性がよく持ち運びできるケース
- ケースを覆えるカバー(透けない素材のもの)
- ティッシュ、ウェットティッシュ、ビニール袋
- カイロ
- ガムテープ
安全対策
室内の地震対策は基本的なことと同じです。ただ大型の爬虫類や危険種を飼育している場合は、脱走対策を特に厳重に行いましょう。
- ケージを固定する
- ケージの周囲に危険物を置かない
- ドアや窓から逃げ出さないように対策
地震時の注意
地震が起きたら、エサを与えるのをストップします。エサを与えるとストレスによる吐き戻しをすることもあるので、水だけ与えるようにしましょう。エサを食べなくても、数日〜数週間は生きられます。
また温度を徐々に下げて、活動性を下げます。こうすることで体力の消耗と脱走を防ぐことができます。どのくらいまで温度を下げるのが適切かは種類によって違うので、普段から温度管理はしっかりしておきましょう。
同行避難する場合は持ち運びできるケースに入れ、蓋が開かないようガムテープで固定してから、見えないようカバーで覆います。爬虫類の姿が苦手という人もいるので、周囲の人には分からないようにする方がいいでしょう。
実際に爬虫類を飼っている人の避難アイディアも参考にしてみてください。
ペットを置いて避難する場合は周囲から危険なものを排除し、水分が摂れるようにしておきます。余震で隙間が空いて逃げる可能性もあるので、脱走対策は厳重に。季節によっては暑さ・寒さ対策もして、可能な限り様子を見に来るようにしましょう。
まとめ
災害時は自分の命や生活を維持するのも大変ですが、ペットを飼っている以上はその命を守ることも必要となります。いざというときの負担を少しでも減らせるよう、普段から準備を抜かりなく、しっかりお世話しておくことが必要です。
また自宅から避難しなくてはいけなくなった場合、原則としてペットも一緒に避難すること(同行避難)が推奨されています。(参考:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」)
同行避難については、こちらのサイトを参考にしてみてください。
アクサダイレクト「災害時にペットを守るために。同行避難時の救護対策を確認しよう」
災害時にペットの命を守れるのは、飼い主であるあなただけです。常に備えて、大切なペットと一緒に生き抜きましょう!