窓の種類にはどんなものがある?形、開閉方法、サッシ、ガラスの種類までまとめました!

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窓はどこの家にもあるものですが、よくよく見てみると様々な種類があります。

窓1つで断熱性や防犯性、防音性などを上げることもできます。窓の種類を把握して自分にはどんな窓がぴったりなのか考えてみましょう。

窓とは「ガラス+サッシ」のこと!

一般的に窓というのはガラスとサッシを組み合わせたものです。建具の中で採光や通風のために設置されたものをまどというという定義も。開閉できるものだけでなく、開閉できない窓もあります。

窓を設置する時は

  • 高さや場所
  • 大きさ
  • ガラスの種類
  • サッシの種類

など決めるべきことがたくさんあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

窓の形や設置場所で分類した窓の種類

まずは窓の形や設置する場所で見ていきます。

人が出入りできる窓

●掃き出し窓

床から天井の高い位置まであり人の出入りのための窓。ベランダや庭に出るために使われますね。元々は室内のほこりなどを外に掃き出すため、掃き出し窓という名前になりました。開口部が大きいので暑さ寒さを感じやすい、プライバシーや防犯性が低くなるというのがデメリットです。とはいえ、家に1つは欲しい窓ですよね。

●全開口窓(フルオープン窓)

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折り畳み式の窓で開口部の幅いっぱいに開けることができる窓。掃き出し窓と同じような高さで出入り口に使われることが多いです。外と室内をつなぐことができるのでウッドデッキなどがあるお家におすすめです。デメリットは同じく断熱性や防犯性が低くなることですね。

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開閉できるけど人の出入りはできない窓

●腰高窓

文字通り、人の腰の高さ(床から90cmくらい)に設置する窓。一般的によく使われる窓ですね。窓の下に棚や机などが設置できる高さです。面積が大きくないので方角などによってはあまり採光できないことも。

●肘掛け窓

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床に座った時にちょうど肘が乗るくらいの高さの窓(床から45cm)くらい。窓の部分に腰を掛けたりするのにもちょうどいい高さです。和室で多く使われていましたが子供が転落する危険性がある、などの理由で最近は減ってきています

●高窓

ハイサイドライトとも呼ばれます。壁の高い位置についた窓のこと。家具などの邪魔にならず光を取り入れることができます。目線より高い位置なのでプライバシーも守れますね。ただし、高い位置にあるため開閉や掃除がしにくいというデメリットも。

●地窓

反対に、床に近い位置にある窓です。昔は和室に多かったですが最近では洋室にも取り入れられています。こちらも視線を気にしない窓でおしゃれのアクセントにもなります。半面、開放すると埃やゴミが入ってきやすいというのがデメリットです。

高窓や地窓は開閉できない窓にすることも可能です。

●コーナー窓

建物の角に作った窓のこと。室内が広く感じられる、景色が楽しめるなどのメリットがあります。一方で耐震性が低くなるというデメリットも。

●出窓

壁よりも外側に出っ張った窓のこと。高さは腰高くらいが多いです。部屋が広く感じられる、物を置くことができるなどのメリットがあります。デメリットは外に飛び出ているぶん断熱性が低く、結露ができやすい点です。

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●天窓

天井に設置した窓のこと。トップライトと呼ばれることもあります。日光をダイレクトに取り入れることができるので明るくなり、夜には星が見えたりしますが夏は熱も入ってくるので熱くなりすぎることも。

●スリット窓

細い窓のこと。縦に設置する場合と横に設置する場合があります。デザイン性のために作ることも多く、数本並んで設置するのもおしゃれです。基本的にカーテンなどはつけないので日当たりがよすぎると部屋が暑くなることも。

開閉できない窓

開閉できない窓のことをFIX窓(はめ殺し窓)といいます。採光やインテリアのアクセントのために取り入れられることが多いですね。

どんな形の窓でもFIX窓にすることは可能ですが、

  • 天窓
  • スリット窓
  • 地窓
  • コーナー窓

などはFIX窓にすることが多いですね。他には丸い形の窓などもありますよ。

開閉方法で分類した窓の種類

続いて、窓の開閉方法による種類を見ていきましょう。

横に動かす窓

●引き違い窓

もっとも一般的な開閉方法ですね。2枚以上の窓を動かして開閉する窓です。最大でも開口部の半分しか開けることはできません。

●引き込み窓

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窓の片側の壁に戸袋があり、開けた窓をそこに収納する方法です。雨戸の収納と同じ仕組みですね。2枚とも窓を収納すれば開口部すべてが全開になります。開放感がある反面、コストがかかる、戸袋のスペースがないと設置できないなどのデメリットがあります。

●ガラス折れ戸

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複数の扉を折りたたんで開ける窓のこと。折りたたみ窓とも呼ばれます。こちらも開口部が全開にすることが可能。折りたたんだ窓がかさばるため、窓の近くに物を置くと邪魔になるのがデメリットです。

縦に動かす窓

●上げ下げ窓

上下に動かして開放する窓です。縦長の窓でスペースが限られていても設置することが可能。開閉しづらく窓を持ち上げる力が必要というデメリットも。

前後に動かす窓

●滑り出し窓

窓を押して外に滑り出して開閉する窓のこと。縦滑り出し窓と横すべり出し窓の2種類があります。気密性が高いというメリットも。幅や高さなどのバリエーションも豊富でインテリアのアクセントにもなります。(画像は軸が縦になっている縦滑り出し窓)

横すべり出し窓(軸が横向き)は、窓がひさしのようになるので雨の日でも窓を開けて通風しても室内に雨が入りにくいです。開口部だけでなく上部にも隙間が空くので手を伸ばせば窓の外を拭くことができます。

固定軸が真ん中にあるタイプは回転窓と呼ばれますが一般家庭ではあまり見かけません。

●突き出し窓

窓の上部を軸にして、外側に突き出して開ける窓のこと。一定以上空かないようにストッパーをつけることが多いです。こちらも大きな窓では設置できません。横滑り出し窓との違いは上部が蝶番で固定されているため動かないことです。そのため、内側から外側の窓を拭くことはできません。

●内倒し窓

突き出し窓と逆で窓の下を軸にして内側に開放するタイプ。トイレや浴室などの換気や通風のために設置することが多く、大きな窓には設置できません。

●開き窓

開き戸のように左右どちらかを軸にして開閉する窓。縦滑り出し窓との違いは、内開き、外開き、そして片開き両開きなどの種類がありることと、軸が蝶番で固定されていることですね。

引き違い戸より気密性が高いというメリットがあります。外開きの場合は網戸を外さないと開閉できないので虫が入ってしまう、外側の窓が内側から拭けないというデメリットも。

複数枚のガラスを動かす窓

●ルーバー窓(ジャロジー窓)

ブラインドのように複数の細長いガラス板を動かして開閉する窓。トイレや浴室などの換気のために設置されることが多いです。窓を開けていても外から見えにくいというメリットが。その反面、ガラスとガラスの間に隙間があるため、断熱性が低いです。掃除も大変そうですね。

●オーニング窓

見た目はルーバー窓と似ていますが、こちらは複数の小窓を同時に動かす仕組みになっています。そのため、ルーバー窓よりも気密性が高いです。大きく開放することはできないのと掃除が大変というデメリットは同じですね。

窓の開き方の違いはこちらのページで確認すると分かりやすいです。

ガラスの種類

続いて、ガラスの種類を見ていきます。

デザインで選ぶ

●フロートガラス

もっとも一般的な透明のガラス。スタンダードな窓ガラスなので費用も安く、在庫も多いので交換もスムーズです。透明なのでプライバシーが守られないなどのデメリットが。

●型板ガラス

片面に型模様をつけたガラスのこと。透明度はフロートガラスと変わりませんが、視線を遮ることが可能。デザインが豊富なので破損などで交換する場合同じものが手に入らないことも。

●すりガラス(曇りガラス)

ガラスの表面をけい砂参考)というもので擦って艶消しをした不透明なガラス。表面はざらざらしています。汚れが付くと取れにくいのでキッチンや浴室での使用には不向きです。

明治初期から窓ガラスとして使われていて、型板ガラス、フロストガラスに比べると安価ですが傷をつけたままで割れやすいので最近ではあまり使われていません。

●フロストガラス

すりガラスの表面を化学処理で滑らかにしたガラス。表面はサラサラです。最近ではすりガラスというとフロストガラスを指していることもあります。

目隠し効果でいうとすりガラス>フロストガラス>型板ガラスフロストガラスが一番費用が高いですが、汚れにくいというメリットもあります。

機能で選ぶ

●単板ガラス

一般的な一枚ガラスのこと。特に機能性はアップしていないので断熱性、防音性などは低くなります。

●網入りガラス

ガラスの中にワイヤーが入っていて防火・耐火性を高めたガラスです。機能性の高いガラスですが、窓に網目模様が入ってしまうので好みが分かれそうですね。都市計画法で防火地域、準防火地域に指定されている建物に使われます

●強化ガラス

単板ガラスを加熱加工し、強度を高めたガラス。一般的なガラスより3~4倍参考)強度が高いといわれています。多くの人が集まるビルや学校などで使われている他、サンルームで採用されている場合も。強化ガラスはすりガラス、フロストガラスにすることはできません。

●合わせガラス

柔軟性のある樹脂膜に、2枚のガラスを貼り合わせたガラス。衝撃に強く割れにくいので、防災、防犯性がアップします。1枚ガラスに比べると費用は高くなります。

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●複層ガラス(ペアガラス)

2枚のガラスで作られたガラスのこと。ガラスとガラスの間に空気の層ができ、単一ガラスよりも断熱性が上がります。ガラスとガラスの間にガスを入れるなどした商品も。

さらに、加工や構造によって

  • 遮熱効果
  • 防音効果
  • 防犯効果

がアップしている商品もあります。機能が高ければ高い分、費用も高くなります。

ペアガラスについて詳しくはこちら。

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機能的なガラスで模様が入ったタイプ、すりガラスタイプなどもあります。

サッシの種類

最後に、サッシの種類も見ていきましょう。

●アルミサッシ

現在日本でもっとも主流のサッシです。加工が簡単なので費用も安く、耐久性にも優れています。金属なので熱伝導率が高く、夏は暑く、冬は寒くなりやく断熱性は低いです。

●木製サッシ

アルミサッシが普及する前は木製サッシが主流でした。暖かい風合いで現在はデザイン性で取り入れる人も多いです。アルミサッシよりも断熱性が高いのですが、木なので水に弱いのがデメリット。長持ちさせるにはしっかりメンテナンスをする必要があります。

●樹脂サッシ

樹脂サッシは断熱性が高いというのが一番のメリット。腐食もしにくいのでお手入れも簡単です。デメリットはアルミよりも強度が低い、という点。その分厚みを出すのでフレームが大きい商品が多いですが最近はスリムな商品も増えてきました。

●複合サッシ

最近では、複数の素材のいいとこどりをした複合サッシというものもあります。アルミ樹脂、アルミ木製などのサッシですね。室内側には樹脂や木製、外側にはアルミを使用し断熱性と耐久性の両方を兼ね備えたもの。ただし、複合サッシは結露しやすいというデメリットも。

まとめ

窓の種類について、

  • 形、場所
  • 開閉の仕方
  • ガラスの種類
  • サッシの種類

を見てきました。窓ガラスにはこんなにもたくさん種類があったことにびっくりしますね。

たくさん種類があるのでどんなものがいいのか迷ってしまうかもしれません。そんな時はどんな家にしたいのかとう目的で選ぶといいと思います。

目的 おすすめの窓 その他の対策法
断熱性を高めたい 樹脂サッシでペアガラスの開き窓、滑り出し窓 二重窓にする
窓を小さくする
防犯性を高めたい 天窓や高窓など人の入りにくい窓を取り入れる。ガラスは網入りガラス、強化ガラス、合わせガラスなどを使用。 雨戸やシャッターを設置
防災対策をしたい 網入りガラス、強化ガラス、合わせガラスなどを使用した大きすぎない窓 柵やシャッターを設置
外からの視線を遮りたい 型板ガラス、すりガラス、フロストガラスを使用。高窓や地窓など目線を避ける窓も取り入れる。 通風できる雨戸やシャッターを設置
デザインを重視したい スリット窓、出窓などデザイン性の高い窓。木製のサッシなど家の雰囲気に合う物
開放的に使いたい フルオープン窓、出窓、コーナー窓など大き目の窓。フロートガラス、強化ガラスなどを使用する。 サンルームやウッドデッキの設置
できるだけ安く済ませたい 引き違い窓、単板ガラス、アルミサッシなど一般的なものを使用

大きな窓は開放的な空間の演出にはよいですが、断熱性、防犯性、防災性は下がります。もちろんベランダへの出入りなどで一か所は必要になると思いますが、必要以上に大きくしたり、複数作る必要はないかもしれません。断熱性、防犯性、防災性、デザイン性、費用、何を重視するかで選んでみてください。

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サイト運営者・記事監修者
1987年和歌山県生まれ。web業界にいたが建築の面白さを知り、一転して建築家になろうと勉強中。Peter Zumthorの作品が好き。現在1級建築士資格取得に向けて勉強中。(R05学科◯製図✕・R06製図結果待ち)
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