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放っておくと怖い窓の結露!今すぐできる予防と対策【完全版】

あなたのおうちの窓、冬にうっすら水滴がついていることがありませんか?それは怖い結露です!

「窓が濡れるとどうして怖いの?」と思うかもしれませんが、結露を放っておくと家にも住人にも悪い影響をもたらします。

なぜ結露が発生するのか、放っておくとどんな悪影響があるのか、結露にはどう対策すればいいのかを、じっくりと解説いたします。

結露はなぜ起こる?放っておくとどうなる?

結露が起こる原因

結露とは、暖かく水分を含んだ空気が冷たい物体に触れて急激に冷やされ、物体の表面に水滴となって付着したものです。冬の寒い時期、暖房のきいた温かい部屋で、外気で冷えた窓に水滴がつくことがありますが、その水滴が結露です。

冬場は乾燥しているのに、どうして室内の空気が湿っているの?と思うかもしれません。確かに冬の外気は乾燥していますが、暖房の効いた室内は締め切っていることが多く、空気がこもりがちです。その中で加湿器や室内干しの洗濯物から発生する水蒸気、調理による湯気、人の呼気や汗などで空気中に発散させている水分などにより、室内は意外と湿度が高いのです。

結露が起こりやすい場所

結露が起こる条件はこの3点です。

  • 空気の流れが悪い
  • 室温が高い
  • 湿度が高い

この条件を満たし、家の中で特に結露が発生しやすいのは次のような場所です。

1階・北側の部屋

冷たい地面に接している1階や、昼間でもあまり日が入らない北側の部屋は他の部屋より室温が低いため、湿った空気が流れ込みがちです。特に近隣の住宅との距離が近く、窓を開けても通風が悪い場合は要注意!結露が起きていないかチェックしてみましょう。

リビング・寝室

ずっと締め切って長時間過ごす部屋は、温度・湿度共に上がる傾向にあります。加湿器を使っていなくても、普通に生活しているだけで湿度が上がる要因はたくさんあります。

  • 人の吐く息・汗
  • 部屋干しの洗濯物
  • 観葉植物
  • 大きな水槽
  • 調理・入浴の湯気

お出かけの前後や寝る前などにしっかり換気して、空気中の湿気を外に逃がしましょう。

使っていない部屋

人が出入りしない部屋は、空気が停滞しています。暖房を使うことがなく人もいないので室温も低く、暖房が入った部屋の湿った空気が流れ込み、結露ができやすいのです。

風通しの悪い部屋

窓がない(または1箇所しかない)、窓の外が住宅密集地で風が入らないなどの理由で風通しが悪い部屋は、空気が停滞して結露ができやすい環境になってしまいます。

特にマンションなどの集合住宅は戸建て住宅より窓が少ないため、結露が起こりやすいとされています。

恐怖!!結露が引き起こす悪影響

住宅への影響

窓の結露をそのままにしておくと、窓枠のレールに水が溜まって壁内や床下に流れ込み、木材や断熱材を腐らせます。腐った木材はシロアリが住み着く原因になり、家全体の劣化につながります。水が壁内に流れた場合、配線にかかって漏電や火災の原因になることもあります。

また集合住宅の場合は結露による水分が階下に流れて、水漏れが起こったというケースも起きています。

人体への影響

結露すると、空気中の雑菌などと混ざってカビが発生します。カーテンや窓際に置いてある家具が結露で濡れて、カビが発生することもあります。カビはアレルギーの原因となり、住人にぜんそく・アトピー・肺炎などの深刻な健康被害を及ぼします。

またカビが発生すると、カビを餌とするダニも増殖する原因になります。ダニによって体がかゆくなったり、ダニのフンや死骸によってアレルギーが引き起こされたりすることもあります。

結露を発生させないポイント

窓に結露を発生させないようにするには、以下の点に注意しましょう。

  • 空気の流れを作る
  • 室内の温度を上げすぎない
  • 室内の湿度を上げすぎない

この3つを踏まえて、具体的な対策をご紹介します。

すぐに始めよう!結露の予防策

そもそも結露を発生させないようにするためには、どうすればいいでしょうか。それぞれのポイントに基づいて対策をご紹介します。

空気の流れを作る

換気扇を活用

1階や北側の部屋、使っていない部屋が結露しやすいのは、室温が低く湿気が流れ込みやすいためです。生活で発生する湿気が流れ込まないよう、換気扇を活用しましょう。

窓が少ない、窓を開けても風が通らない場合は扇風機やサーキュレーターで空気の流れを作りましょう。

シロ
シロ
扇風機やサーキュレーターが活躍するのは夏だけじゃないんだ!

また収納スペースも湿気がこもりがち。押入れやクローゼットを開けて換気することはもちろん大事ですが、中にすのこを敷くぎゅうぎゅうに物を詰め込まないようにするなどして、風通しを良くしましょう。

  • 調理時・入浴時・部屋干しの際は換気扇をON
  • 窓がない納戸や屋根裏は換気扇を常にON
  • 使っていない部屋も1日1度は換気する
  • 家具は壁から5cm程度離して置く
  • 押入れにはすのこを敷いて、その上に収納する

24時間換気システムは常にONに

また集合住宅は24時間換気システムがあるところも多いので、常にONに。寒いからとOFFにしては、結露が出来やすい環境になってしまいます。

またフィルターにホコリが詰まっていると換気効果は薄れてしまいます。定期的に掃除して、しっかり換気ができる環境を整えましょう。

  • 寒くても24時間換気システムは常にON
  • 各部屋の給気口を開けておく
  • 換気口・給気口フィルターをしっかり掃除

温度を上げすぎない

適温に調節する

一般的に、室内の適温は冬場で18〜22度とされています。真冬に暖房を効かせすぎると結露の原因になるため、なるべく服装などで調節して適温に保ちましょう。足元を温めると体感的な寒さが和らぐため、床暖房やホットカーペット、室内履き(ルームシューズ)を使ってみるのもおすすめです。

ルームシューズ moz 北欧エルク あったかボアスリッパ アンジェ別注

部屋の温度を上げすぎるとその部屋の中での結露だけでなく、他の部屋との温度差で壁内に結露が発生することもあります。1つの部屋だけ極端に暖かいということがないよう注意しましょう。

エアコンは室温が上がりすぎない自動運転がおすすめ。室内で温度のムラができないようサーキュレーターや扇風機を併用すると、暖房効率が上がります。

  • 1つの部屋を極端に暖めない
  • エアコンは自動運転に、サーキュレーターで効率よく
  • 外気温と室温の差は7℃以内をキープ
  • 室温が上がりすぎたら換気

暖房を工夫

機密性が高いマンションでは、比較的外気より室温が高くなりがちです。暖房機器は必要以上に暖めすぎないエアコンやじんわり加熱するオイルヒーターなどがおすすめ。また足元を温めるだけで体感温度はずいぶん変わってきますので、床暖房やホットカーペットがあれば活用しましょう。

  • 暖房機器はエアコン・オイルヒーターなどがおすすめ
  • 床暖房・ホットカーペットも効果的

湿度を上げすぎない

こまめに換気する

締め切った空間でずっと生活していると、発生した水蒸気の逃げ場がなく湿度が上がってしまいます。換気をすると部屋の中の湿気が外に逃げ、空気の流れが生まれます。ハウスダストなどのアレルゲンや病原菌を外に出す効果もあるので、ぜひ取り入れたいところ。

冬場でも2〜3時間に1度、5〜10分程度換気を行うのが理想的です。使ってない部屋も、日に1度は換気するようにしましょう。窓だけでなく、クローゼットや押入れも開放して湿気がこもらないようにすると更に効果的です。窓を開けるのが難しい場合は換気扇を回して湿った空気を外に出しましょう。

加湿器はほどほどに

乾燥予防のため冬場は加湿器を使用する人も多いかと思います。しかし過剰な加湿は結露のもと。適度な湿度は55±10%です。加湿器の設定湿度は50%前後に設定しておきましょう。

暖房の種類に注意

石油やガスを使用する開放型暖房機器は、加熱の際に水蒸気を発生させます。結露を防ぐには開放型暖房機器の使用を控えましょう。どうしても使用する場合はこまめな換気を忘れずに。

《開放型暖房機器の例》

  • 石油ストーブ
  • ガスストーブ
  • 石油ファンヒーター
  • ガスファンヒーター

湿度を上げないための工夫

日常の何気ない習慣が、室内の湿度を必要以上に上げている原因になっていることもあります。湯気が多く発生する調理や入浴時には換気扇を活用し、部屋干し時は換気扇か除湿機を使いましょう。

また寝る直前は、室内の湿度が1日のうちで最も高い状態になっています。暖房を消して寝ると室温がだんだん下がり、空気中の水蒸気が結露となり、朝起きたら窓がびしょ濡れ…なんてことに!就寝前に家中の窓を開けて換気するのがおすすめです。

  • 調理時は換気扇をON
  • 浴槽に湯を張ったまま蓋やドアを開けっぱなしにしない
  • 入浴後は浴室の窓を開けて換気
  • 部屋干し時は換気扇や除湿機を使用
  • 窓付近に大きな水槽や観葉植物をたくさん置かないようにする
  • 就寝前に家中の窓を開けて換気

それでも湿気が気になる場合は、窓際に除湿機を設置したり、調湿機能を持ったクロスやエコカラットなどを取り入れたりするといいかもしれません。

〈商品例〉

リリカラ LV-1599…消臭 抗菌 通気性 透湿性 防かび

INAX エコカラット…調湿 招集 有害物質の吸着

結露が起きてしまったら

いくら対策をしていても、結露が発生してしまうこともあります。ビショビショのひどい状況になる前に対策しましょう。

拭き取る

基本的なことですが、結露を発見したらとりあえず拭きましょう。タオルや雑巾でももちろんOKですが、便利な拭き取りグッズもあります。

吸水力の高いスポンジ

通常のスポンジよりも吸水力が高く、短時間で拭きあげることができます。結露対策以外にも、何かをこぼした時の拭き掃除や水回りの掃除にも便利です。

水切りワイパー

ガラスワイパー、スクイージー、スキージーとも呼ばれます。プラスチックやシリコン製のヘラで水分を集めるため、ガラスに水滴が残らないのが魅力です。

吸水させる

あまりひどくない結露の場合の簡易的な対応として、グッズを使って結露の水分を吸い取らせる方法があります。グッズは吸着させたまま放置するとカビの原因になりますので、こまめに交換しましょう。

新聞紙

結露に対する定番の対応ですが、窓ガラスに新聞紙を貼り付けると水分を吸収してくれます。剥がす時にガラスを拭くと、インクの成分でピカピカになって一石二鳥です。

吸水テープ

窓ガラスの一番下の部分やサッシの下部分に貼って、垂れてきた水分を吸収させるテープです。様々な色のものが販売されており、インテリアに合わせて選べます。

結露吸水テープ[2セット](ガラス シール 窓 結露 吸水 結露シート 結露対策 結露対策グッズ)

吸水パネル

窓に貼って吸水させるパネルです。結露を吸い取ると同時に、コールドドラフトと呼ばれる窓からの冷気を防ぐ役割も果たします。ダンボールで代用することも可能ですが、見栄えがあまり良くないので人目に付かない部屋に限られるでしょう。

明和グラビア 断熱結露吸水パネル NFDP-9090 CR

断熱・結露吸水パネル〔45×90cm〕(寒さ対策 断熱 断熱シート 窓 結露 結露シート 結露吸水断熱パネル 結露対策 結露対策グッズ 結露防止 結露防止シート 防止)

窓の断熱性を高める

窓の断熱性を高めることで窓そのものが冷えにくくなり、外気と室内の気温差による結露を防ぐことができます。窓の断熱性を高める方法には、以下のものがあります。

雨戸を閉める

基本的なことですが、雨戸を閉めるだけで窓ガラスの間に空気の層ができ、断熱効果が高まります。また冷たい風が直接当たらないことで窓の温度が下がるのを防ぎます。

朝晩の開け閉めは面倒に感じるかもしれませんが、結露がひどい場合は試してみましょう。

断熱シートを貼る

熱を通しにくいフィルムを貼るだけで窓の断熱性がアップする手軽な方法です。綺麗に剥がせる商品なら、賃貸でも使用できます。

ただし、ペアガラスに貼ると温度が高くなりすぎて熱割れを起こす可能性がある商品もあるので、ご自宅の窓ガラスに対応した商品かどうかを確認しましょう。

窓専用のヒーターを使用する

窓を直接温めて結露を防ぐという方法もあります。暖かい上昇気流が発生して空気の流れが起こり、冷暖房効率がアップする嬉しい効果も期待できます。

窓をリフォームする

窓そのものを断熱性の高いものに交換するという方法もあります。ペアガラスや二重サッシへのリフォームも検討してみましょう。

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併せてチェック!注意点

グッズを使った対策はあくまで簡易的なものです。拭き取りは早めに行い、吸水グッズはこまめに交換しましょう。

また結露が起きた時点で、室内の状況が結露の起きやすい状況になっていないか、換気の状況や室内温度・湿度を見直しましょう。

まとめ

冬場は締め切った暖かい部屋で過ごしてしまいがちですが、しっかり対策しないと怖い結露に住まいの安全や住む人の健康までが脅かされてしまいます。

ご紹介した結露対策は簡単なものばかりですので、ぜひ試してみてください。窓のリフォームを検討する場合は、信頼できる工務店に依頼してお部屋の状況や生活スタイルに合ったプランを立てれば、きっと満足のいく結果になることでしょう。

結露を解消して、安心・快適な生活を手に入れましょう!

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