リフォームでどんな防犯対策ができる?対策しておくべき箇所は?
防犯のために何か対策したい!と思っても何から手を付ければいいのか分からないという人も多いかもしれません。
家のすべてに防犯対策をすれば安全ではありますが、かえって暮らしにくい家になってしまうなんてこともあるかもしれません。
防犯対策を考えるなら、まずは優先順位を考えましょう。防犯対策をすべき箇所と、リフォームでできることについて見ていきますね。
防犯対策を始める前に
防犯対策を始める前に、まずは家の中でどんな場所が狙われやすいのか、どうやって家の中に入ってくるのかを見ていきましょう。
泥棒が侵入しやすい場所は?
警視庁の住まいる防犯110によると、泥棒の侵入場所は
1位 | 2位 | 3位 | |
一軒家 | 窓(53.5%) | 玄関(21.3%) | 非常口(0.1%) |
集合住宅(3階以下) | 玄関(47.3%) | 窓(40.7%) | 非常口(0.1%) |
集合住宅(4階以上) | 玄関(60.7%) | 窓(24.5%) | 非常口(0.1%) |
となっています。一軒家と集合住宅で玄関から侵入する割合がかなり違いますね(参照)。集合住宅の方は人の出入りが多いので見知らぬ人が家の前にいても不審に思われないからというのもありそうですね。
ただし、これはあくまでデータです。まず自分の家のドアや窓がどのような状態なのか客観的に見てみましょう。
泥棒もリスクを避けたいのでなるべく入りやすく逃げやすい家に入ろうとします。下記のような状態であれば要注意ですね。
- 人通りや人目につきにくい
- 通行人が少ない
- 留守が多い
- 周囲の音がうるさい(犯行時のガラスを割る音などが目立たない)
- 物が散らかっている(だらしのない家だと判断)
- 収集日以外にゴミが捨てられている(地域の連携が取れていないと判断)
など。
自分で対策できることもあれば、周辺環境などが原因で対策が難しいこともあります。対策できない場合は特に強化した防犯対策を考えたいですね。
侵入手口で多いのは?
続いて、泥棒の侵入手口を見ていきましょう。住まいる防犯110によると、
1位 | 2位 | 3位 | |
一軒家 | 無締り(51.2%) | ガラス破り(30.7%) | 合鍵(3.1%) |
集合住宅(3階以下) | 無締り(51.5%) | ガラス破り(18.0%) | 合鍵(11.8%) |
集合住宅(4階以上) | 無締り(40.6%) | 合鍵(23.5%) | ガラス破り(11.3%) |
となっています。その他の手口には
- ピッキング(鍵穴に針金を入れて回す)
- サムターン回し(隙間から金具などを入れて内側から鍵を開ける)
- こじ開け(隙間にバールなどを入れ、ドアを無理やりこじ開ける)
- 戸外し
などがあります。
なんと、すべての住宅で1位は「無締り」なんです。しかもすべて40%以上が無締まり。
窓の締め忘れや、「ちょっとだから大丈夫」とドアを開けっぱなしで出掛けていることはありませんか?ゴミ捨てや回覧板を回すときなどは数分間かもしれませんが、途中で知人に会って思ったよりも長くなってしまった…なんてこともありますよね。
泥棒はリサーチをしてから侵入するともいわれていますので、普段から鍵をかけていないのを見られているかもしれません。
いくら防犯対策をしても鍵が開いていては意味がないので、ドアも窓も必ず鍵をかけるように徹底しましょう!
一軒家に比べて集合住宅では合鍵の割合が高いですね。玄関ポストに合鍵を入れたりするのはやめましょう。
合鍵の対策はこちらの記事もどうぞ。
防犯対策のポイント
泥棒も捕まりたくはないので、なるべく人目に付かず、楽に入れる家に侵入します。
泥棒は侵入までに5分以上かかると7割は諦め、10分以上かかるとほとんどが諦めるというデータもあります(参考)。
ですから防犯対策は
- 侵入までの時間を稼ぐ
- 侵入者がいることが分かるようにする
という方法が有効です。具体的な方法は次の章で見ていきましょう。
リフォームでできる防犯対策
それでは、リフォームでできる防犯対策について見ていきます。
防犯性の高い鍵に交換
適応箇所:玄関・勝手口
まずは鍵を交換するリフォーム。ドアの鍵は種類によって防犯性が変わります。ディスクシリンダー(参考)などの鍵はピッキングされやすいといわれていますよね。
防犯性の高い鍵は、
- ディンプルキー(裏表に丸い凹みが複数あるタイプ:参考)
- 電子錠(スマートロック、キーレス錠)
が挙げられますよ。
電子錠は鍵がいらず、暗証番号やスマートフォンなどで解錠する鍵のこと。オートロック機能もあるので鍵の閉め忘れ対策にもなりますよ。
防犯性の高い鍵についてはこちらの記事をどうぞ。
引き戸の場合はこちらの記事もどうぞ。
鍵の防犯対策は本鍵を交換するほかに、補助錠を取り付けるという方法もあります。1ドア2ロックといって、2つの鍵があるとそれだけで開けるまでの時間が2倍以上かかり、防犯対策になるんですよ!
補助錠はドアだけでなく、窓にも設置が可能です。
ドアの交換
適応箇所:玄関・勝手口
古いドアで、隙間風が気になるなど防犯性以外でも不具合がある場合はドアごと交換するリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
防犯性の高いドアは、ピッキングされにくい高い鍵を使っていることはもちろん
- こじ開け対策のためのガードプレート
- 脱着式サムターン
- 2ロック式
- 防犯ガラスの使用
などもついています。それぞれの対策をすることも可能ですが、ドアを交換するだけでこれだけの対策ができるのはうれしいですよね。
玄関ドアの交換について詳しくはこちら
防犯ガラスに交換
適応箇所:窓、ドアなどガラスを使用している場所
泥棒の侵入手口の上位にガラス破りがありました。窓ガラスやドアの近くのガラスを割り、そこから鍵を開けて侵入するという手口ですね。
ガラス破りを防ぐためには防犯ガラスに交換することが効果的です。
防犯ガラスはガラスを2枚使用したペアガラス(複層ガラス)。ガラスの間に樹脂中間膜を挟んでいて、ヒビは入るけれど割れにくい構造になっているんです。また防犯効果だけでなく、断熱、防音、結露などの対策にもなりますよ。
ガラスの交換ができない場合、もっと簡単に対策したい場合は防犯シートをガラスに貼るという方法も。防犯ガラスよりも効果は落ちますがそのままにしておくよりは時間を稼ぐことができます。
窓の場合はさらに二重窓にすれば侵入迄の時間を稼げます。
大規模リフォームなら窓の変更も
一般的によく使われている引き違い窓は、特に防犯性が低いわけではありません。しかしサッシを外せば人が余裕で通れるサイズになってしまいます。(構造上外れるようになっている)
人が通れる大きさの窓はどうしてもリスクが高くなってしまうので、場所によっては窓のサイズを小さくしたり、細長い窓をいくつか並べたりして種類を変えるというのも防犯対策になりますよ。インテリアのアクセントにもなるので大規模リフォームをするのなら検討してみてはいかがでしょうか。
窓を小さくするリフォームはこちら。
窓の種類についてはこちら。
開口部を塞ぐ
適応箇所:窓、勝手口
使っていない窓や勝手口があるのなら思い切って塞いでしまうというのも1つの手です。窓やドアを塞げばその分スペースを有効利用できる、というメリットも。窓を塞ぐリフォームの費用は10~30万円程度(参考)です。
勝手口についてはこちらの記事をどうぞ。
シャッターや柵の取り付け
適応箇所:窓、車庫
窓の防犯対策にはシャッターや柵を取り付けるという方法があります。
- シャッター:閉めている間だけ防犯対策になるので夜間の防犯対策に効果的
- 柵:一度設置すれば24時間対策になるが、中からも外に出られなくなる
などの違いがあります。場所によって最適な方法を選んでください。
シャッターと柵の対策について詳しくはこちら。
車庫がある場合は車庫にもシャッターを取り付けると防犯対策になりますね。
フェンスの設置
適応箇所:庭、家の周辺
一軒家の場合は家の周辺や庭を囲うフェンスも防犯対策になります。フェンスがあればプライバシーを守ることもできますね。
ただし、あまり背が高すぎたり、外から全く見えなくなってしまうと逆に狙われやすくなってしまう可能性も。
防犯対策としては、ある程度見通しのよさを確保できる格子タイプや目隠しタイプがおすすめです。
https://home-renovation.jp/fense-bounan-12636
防犯カメラの設置・セキュリティシステムの導入
適応箇所:家全体
玄関とベランダなど複数個所のセキュリティが心配、家全体を防犯対策したいという方は防犯カメラの設置や、セキュリティシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。やはりプロに防犯対策してもらう、というのは安心感につながりますよね。
防犯カメラやセキュリティシステムはそれだけでリスクになるので避けていく泥棒もいるでしょう。
防犯カメラの設置やセキュリティシステムまではちょっと・・・という方はセンサーライトや防犯砂利などの対策方法もありますよ。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
まとめ
家の防犯対策について見てきました。
防犯対策のポイントは
- 侵入までの時間を稼ぐ
- 侵入者がいることを周囲に知らせる
この2つが重要です。またこれだけやっていればOKという対策はありませんので、複数の対策を組み合わせることが効果的です。
リフォーム以外でできる簡易的な対策方法でも効果がありますので、取り入れやすいものから取り入れてみてください。
<玄関>
<窓>
<ベランダ>
<勝手口>